闇の聖域
闇の聖域 / 感想・レビュー
starbro
佐々木 譲は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、戦前のスパイ映画の様なラブミステリ・ヴァンパイアファンタジーでした。続編もありそうなエンディングです。著者が現代モノのミステリを書かないのは、何か理由があるのでしょうか❓ https://www.kadokawa.co.jp/product/322108000243/
2022/11/19
パトラッシュ
最近、満洲国が舞台のミステリが相次いでいる。骨太な警察小説の名手も挑戦かと思ったが、どうも様子がおかしい。一応は警視庁刑事から大連警察へ転職した河村が主役だが、主軸となる関東軍絡みの連続殺人事件に迫力がなく淡々と捜査が進むばかり。病弱な日本人少女と謎の外国人男性の交流も、著者の不得意な恋愛描写は却って興趣をそぐ。そして最後は超自然モンスターが出現するのはいただけない。『エトロフ発緊急電』や『警官の血』に見られた、事実が匂い立つドラマの裏側を抉り出す面白さがまるで感じられない。残念ながら悪い意味で期待外れ。
2023/01/22
のぶ
最近の佐々木さんの作品の傾向に似た一冊だった。時代は日中戦争開戦直前の満州、大連。まず警視庁から大連警察署に赴任した河村修平という刑事が登場する。赴任早々、大連駅の操車場付近で殺人事件が発生、修平は高安巡査部長と共に捜査にあたる事になる。そんな最中に相次いで第二の事件が発生する。一方でもう一人の主役の中村小夜が路面電車を降りようとした時、ロシア人とおぼしき白人青年とささやかな交流が生まれる。この二つの話が時に交わり進行してゆく。物語としてはまぁまぁ面白いが、登場人物の魅力に欠けている気がした。
2022/11/16
雅
殺人事件とラブロマンス。重みがあってなかなか面白かった。ラストが予想外過ぎた
2022/12/18
あっ!chan
ホントに久々の佐々木さん...舞台は日本の統治時代の満州大連。日本からやってきた特務警察官の修平と、大連に住む難病をかかえる若き画家の卵の小夜が、間をおかずおこった猟奇殺人事件に関わっていくのだが...容疑者として浮かび上がった謎のロシア人に対して修平と小夜の目を通して謎が少しづつ明らかになってくるのだが、反日闘争や権力を握る関東軍憲兵隊など当時の不安定な社会が暗い影を投げかけてくるので、ストリー以上に重たく感じるが、最後の結末はなんと...ところで不死身の彼はいったいなんなんでしょう?
2024/11/01
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