月に吠える 改版: 詩集 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 32)
月に吠える 改版: 詩集 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 32) / 感想・レビュー
koji
【長谷川宏著「日本精神史近代篇上」に登場する7人を長谷川さんの言説と共に辿る旅の第6回】高名な「月に吠える」。長谷川さんは、維新から半世紀、大正モダニズムの中で「自由な個」として生きながら、疎外と孤独に背を向けることなく、どんな場面でも、自己と世界との齟齬を確り見据えた近代詩人朔太郎の精神こそ近代日本の発露と見ました。一方浅才な私がこの詩集で感じたのは、(殺人事件すら詩に取り込む)シチュエーションの多彩さと、(官能表現を含め)数々の擬態語を駆使し読み手の感情を揺さぶる技巧。改めて現代への影響力も感じました
2024/06/29
東京湾
"詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである" 日本近代詩に革新をもたらした萩原朔太郎の処女詩集。倦み疲れた魂の孤独な逍遥から生み出される泥濘の陶酔に浸される。この版は田中恭吉の挿絵も収録するなど初版に忠実な点も良かった。
2021/01/25
ひつじ
とても邪道だとは思うのだけれど、『月に吠えらんねえ』を読んで、読みたくなった詩集。思っていたより暗くない。きらきらしている。自分は感性が鈍くて詩集とか歌集を理解しきれている気がしないので、誰かに解説してもらいたい。処女詩集を発売したのが意外と若くなかったことに意味もなく安心する。
2016/10/02
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