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いるいないみらい (角川文庫)

いるいないみらい (角川文庫)

いるいないみらい (角川文庫)

作家
窪美澄
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-04-21
ISBN
9784041124444
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いるいないみらい (角川文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

『いる』『みらい』と『いない』『みらい』の間で葛藤を繰り返し、『いる』『みらい』をなんとか手繰り寄せ、それを現実のものとすべくも苦悩する夫婦の姿など、『子どもを持つ』ことに光を当てるこの作品。そこには、五つの短編それぞれの視点から『子どもを持つ』先の未来に思いを馳せる主人公たちの姿が描かれていました。男性、女性それぞれに主人公の内面の葛藤に思いを馳せるこの作品。『子どもを持つ』ことの意味を思うこの作品。『子どもを持つ』という言葉に何かしら感じるところのあるすべての方に是非手に取っていただきたい作品でした。

2024/06/21

ゆいまある

子供を持つか持たないか迷う人々の短編集。デキ婚の私には妊活の苦労が分からない。そもそも子供を持つかどうか迷った期間がない。正直子供は面倒だし、苦手だと思っていた。この物語の中でも結論は無い。ただ、こういう人もいるよということを淡々と提示し続けている。美澄さんにしては随分大人しい印象の一冊。メロンパンもハード系のパンもいいけど私は食パンが好きだ。Kindle Unlimited

2024/03/31

エドワード

若い夫婦は子供を産み育てるか否かで悩む。少子高齢化は私が大学生の頃から危惧され続けて40年。いまだに子供を産み育てることは「子供がかわいい」「いとおしい」という情念のみに支えられている。子供を一人前に育てるのには経済力が必要だ。母親は仕事との両立に苦悩する。政府は無策に等しい。こうして若夫婦は子供を産むことをためらう。子供お断りのマンション、「私は子供が嫌い」と堂々と言う社会の不寛容。果たして子供は増えるのだろうか?編集者との雑談から見事に現代の人の心を描き出す窪美澄さんの観察眼が素晴らしい。祝直木賞。

2022/08/22

mayu

子供がほしいのか、ほしくないのか。子供のいる未来を望んだとして、パートナーも同じ考えなのか。本当に授かれるのか。選択は確実に迫られるけど、選択したらもうひとつの道には戻れないから迷い悩む。どの短編も答えは出ず、今までの自分とは違う価値観にも向き合ってみようというところで終わっている。正解はなく、夫婦の数だけ考えがある。正解どころか答えも定まらず、考えが変わったり、進んでからも悩んだりするものなのかも。リミットが近づく私は、ひとつの選択をしつつあるけれど、正直まだ気持ちは揺れる。

2023/10/26

おうち時間

窪さん14冊目。5つの短編集ですがタイトルの『いるいないみらい』は子供がいる未来、いない未来ということでしょうか…。夫婦になっても子供が欲しいかどうかは二人の意見が一致していれば同じ方向を向けるけど、そうでなかった場合は複雑ですね。そして欲しくてもなかなか授からない場合の不妊治療は私が想像してるより心にも身体にも負担が大きい物だとわかりました。そしてせっかく授かったのに幼い時に命を落としてしまったら…。窪さん自身も経験者のようです。『金木犀のベランダ』の子羊堂のメロンパン屋さんはとても素敵なご夫婦でした。

2022/09/07

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