ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IV シンデレラはどこに (角川文庫)
ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 IV シンデレラはどこに (角川文庫) / 感想・レビュー
たか
シリーズ第4作。次々とベストセラーを生み出す新人作家REN、しかしどの作品も売れない作家達の既刊作品にあまりにも似ていた。盗作疑惑で出版業界が揺れるさなか、杉浦李奈に「シンデレラの原典を探れ」と佐田千恵子を名乗る人物から脅迫メールが届く。指示に従わなければ李奈の大事な人の命は無いと言う。同時に件の盗作疑惑に李奈の著書も被害にあい巻き込まれる。「盗作疑惑」と「シンデレラの原典」と李奈はふたつの難題に臨む。 シンデレラと似た話が世界中、日本にも有る事に驚いた。毎回李奈の文学知識に脱帽する。 ★★★★✩ 4.0
2022/08/03
Yunemo
いつの間にか、杉浦李奈にぞっこん。優秀な記者並の嗅覚と人間観察力、分析力を持つ探偵作家ならぬ作家探偵、と記者からも評価され。本作のベストセラー作家の盗作疑惑、剽窃と盗用・盗作のニュアンス感、その差異には理解がついて行けずに。初めて聞くテキストマイニングという分析手法。難しいけど、文学作品どうしの相関関係が解明される、って、同一著者の文章かどうか、別作品からの影響度合いを実数値に換算、これ面白いね。これを使ってのシンデレラの原点探し、世界中に、また年代も多岐にわたって、決して美しい物語じゃなく、改めて理解。
2022/05/05
hiro
先の3作で主人公の売れないラノベ作家の杉浦李奈は、盗作、女児行方不明事件、クローズド・サークルの謎を次々解いて探偵として成長してきたが、この第4弾では李奈の作品『トウモロコシの粒は偶数』も関係する盗作疑惑に巻き込まれる。さらに李奈はシンデレラの原典を探れという脅迫を受けるという八方塞がりのなか進行していく。実際に最近は小説だけでなく、いろいろな盗作が関係する事件が起きているなかで、テキストマイミングという技術があるということを知ることもでき大変有意義だった。あの莉子に再会できるのを楽しみに第5弾へ進む。
2023/12/17
coolgang1957
🤣🤣🤣これって優佳さんも知らなかった前提ですか?もう古代ギリシャのエライ学者さん達もびっくり‼️もしくは大笑い😆どっちですかね。李奈さんの知識も記憶力も読解力も桁はずれで感心します、先生達にも負けず劣らずなのでライトノベル書いてないで学者になれば良いのにと老婆心。いつになったら若手作家と言われなくなるのか…と思いつつⅤ巻へ進みます。🤣🤣🤣
2024/04/08
よっち
中堅・グライト出版が大々的に売りだした新人作家REN。次々ベストセラーになるものの既刊からのパクり問題が浮上しブームは突如として失速。李奈に被害作家からの相談が寄せられる第四弾。自著からの盗作も判明して頭を悩ませる中、李奈のもとに届いた「シンデレラの原典を探れ」という不可解なメール。送り主はなぜそんなメールを送ってきたのか、パクリ問題のグレーゾーンにも頭を悩ませる中で、データマイニングも駆使した調査もあったりで興味深かったですが、ちょっとした機転から難しい状況をひっくり返してみせたその手腕はお見事でした。
2022/05/26
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