吸血蛾 (角川文庫)
吸血蛾 (角川文庫) / 感想・レビュー
Kiyoshi Utsugi
女流デザイナーの第一人者である浅茅文代は、今年も新東京日報社主催のファッションショーにエントリーをする。ファッションモデルは、浅茅文代に直属する虹の会の7人の女性。 ファッションショーが終わったところで、モデルの滝田加代子が何者かによって殺害されます。しかも左の胸は刳り取られるという猟奇殺人事件。 その後、虹の会のメンバーである有馬和子も殺害されます。 虹の会メンバー全員が殺されてしまうのか… 登場人物は限られているので犯人も分かりそうなものですが、今回も自分では分かりませんでした。
2022/08/19
MASPY
作品の3分の1ほどが経過してようやく金田一耕助が登場します。狼男、蛾、抉られた左胸、アドバルーンで飛ぶ脚、踊る脚、マヌカンなどのおどろおどろしいプロットや、双生児などの事件をややこしくする要素が。狼男(だけではなかったですが)による連続事件は凄惨で、「虹の会」のファッション・モデルなど9人もの被害者が出ます。それもあってか、今回の金田一耕助はいまいち冴えませんでした。
2022/08/13
餅屋
昭和30年の年末から年始にかけての金田一探偵▼服飾界の女王として君臨する美人デザイナー浅茅文代専属モデルたちが次々と殺されて…無気味な狼男とは何者か?あふれる怪奇とロマン▲サスペンスものです。ちょうど『三首塔』の最中なためか金田一にまったく冴えがない。「満都を驚倒させた晩のこと」なんて表現ふつう見ないのですが、等々力警部の苦労が非常にしのばれます。男性10%女性90%の変成男子(へんじょうなんし)が良く分からない、美少年?狼男の造形って…?虹の会の面々が…!とにかくデスペレートな犯人恐るべし(1955年)
2022/11/27
奥田智徳
横溝さんの作品としてはスリリングな長編。じっくり読ませる本格派も良いが、こういう作品も好きだな。
2022/10/13
私的読書メモ3328
金田一耕助ものは大別して都会風俗ものと地方土俗ものに分かれますが、本作は前者。怪奇サスペンスに振り切っていて、極めて刺激的でものものしい展開、文章が延々と続きます。ミステリと思って読むと、劣悪な出来にぶん投げるレベルかと思います。発表当時のエンタメとして一歩引いて読む分には、楽しめます、かね? 解説では奮わなかったと落とされている金田一耕助ですが、話の都合とはいえここまで犯人が警察の調査から保護されていると、どうしようもないでしょう。むしろよく頑張った方じゃないでしょうか。
2022/07/15
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