去年の雪 (角川文庫)
去年の雪 (角川文庫) / 感想・レビュー
エドワード
今を生きる人々の清々しい人生。朝起きて、電車で通勤し、ランチを楽しみ、ラインやお喋りに興じる。仕事終わりに飲みに行く。散歩を楽しむ。乳児に微笑みかける。学生時代の友人と至福の時を過ごす。白いもの。梨。豆腐。餅。恋もあればトラブルもある。たまに平安時代や江戸時代へ遊ぶのもいい。私はこの本を3月14日、マスクを外して電車の中で読み始めた。どの人も、思いわずらうことなく愉しく生きている、江國さんの主人公たちだ。今文庫化されたこの本は、私に勇気をくれる。さあ、人生を愉しもう。3年と少し前の生活へ、春の街へ戻ろう。
2023/03/17
道楽モン
これは素晴らしい小説。こんな地味な佇まいだから見逃してましたが、人との関係性のみならず、時空や地域や老若男女を超越し、モノや幽霊や動物、すべて引っくるめた世界を描く試み。凄すぎる。100人以上の登場人物が微妙に繋がったり、すれ違ったり。生者も死者も関係ない。まさに過去も未来も無い、今ここのみが真理であり、あらゆる生命は繋がっているということを作品化している。まったく大上段に構えていない、むしろ小さな関係性を丁寧に紡ぐことで世界を表現している。愛読していた江國滋の娘が、こんな凄い作家になるなんて!
2024/01/05
おっしー
群像劇モノなのかな?とにかく登場する人物が多くて。場所も時代も違えばもうこの世にはいない人や、動物の視点でも描かれていて、バリエーションが豊富すぎる。それぞれの人生の一瞬だけをかいつまんで、すぐ次の話にいくスピード感が面白かった。たくさんの人にすれ違って、チラッと目を向ける感じ。話が一瞬を切り取っているからこそ、この人たちは当然これからの人生も過ごしていくんだろうなぁって思わされる。物語ぽさというよりかは、実際の生活を感じられるような不思議な現実感があった。
2023/06/24
ぽろん
色々な日常がある。家族、友達、恋愛。繋がった話もあった。時に違う時代が交錯する空間もあったりして、スルスルといつの間にか読了。
2023/03/26
さち@毎日に感謝♪
カドブン夏推し2023より。かなり久しぶりの江國作品。色々な登場人物のそれぞれの生活が描かれていて、1つの作品でこれだけの登場人物を書けるのが凄いなぁと思いました。学生の頃に読んで随分遠ざかっていましたが、また江國作品を読みたくなりました。
2023/09/17
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