この夏の星を見る
この夏の星を見る / 感想・レビュー
パトラッシュ
中高生にとって夏休みは若さを謳歌する最高の日々なのに、新型コロナ禍で友人と集まって活動する大切な日常を奪われた苦痛は大きかったはずだ。学校に行けなかったり目標としていた大会が中止になるなどガマンを強いられた若者が、オンラインを通じて天体観測という目標のため今しかできない歓喜を掴もうと結集する。不自由だからこそ新しい道を探り、恋愛や別離を挟みながら本当に大切なものを見つけて成長していくドラマは、枯れたオジサンの心をも熱くしてくれる。文字通りド直球の青春群像小説であり、あの頃を経験した人すべてに読んでほしい。
2023/07/17
starbro
8月の第一作は、辻村 深月の最新作、辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、この夏の夜空を飾るに相応しいコロナ禍ならではの天文部青春譚、爽やかな感動作でした。私は我が家の二人の息子の名前に星の字を使用しています。またそれが、私のニックネームstarbroの由来にもなっています。 https://kadobun.jp/special/tsujimura-mizuki/kono-hoshi/
2023/08/01
さてさて
『「濃厚接触者の濃厚接触者」という言い方にも眩暈がする。いったいどこまで範囲を広げて、私たちは相手を怖がらなきゃならないんだろう』2020年に突如世界を襲ったコロナ禍。この作品ではそんなコロナ禍の世に中学、高校時代を過ごした生徒たちの瑞々しい青春の日々が描かれていました。中高生たちがあのコロナ禍をどう見ていたのかを感じるこの作品。そんな中高生たちが夜空の星々に目を向けていく情熱に心熱くさせられるこの作品。コロナ禍のリアルな日常を背景に、人と人との繋がりの大切さを改めて感じさせてくれた素晴らしい作品でした。
2024/06/02
seacalf
ああ、これはいい本。茨城、渋谷、五島列島に住む亜紗、真宙、円華達中高生はコロナ禍で各々悩みを秘めているのだが、スターキャッチコンテストをきっかけにみんなの物語が繋がっていく。誰もが経験したあのコロナ禍を思い出させつつも、過度にその弊害を描くのでなく、くすぐったくもいとおしく感じる彼ら彼女らの心情や行動が丁寧に描かれていて、読み手は優しい気持ちに包まれる。オンライン会議のシーンがお気に入りでここだけでもこの本を読めて良かった。感情が揺れてふつふつと喉元が喜ぶような場面が随所にあって心地好く読み終えられた。
2024/07/18
うっちー
コロナの与えた影響は世代によっても違うのでしょう。北極星が代わるのは初めて知って感激でした
2023/07/19
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