Another 2001(下) (角川文庫)
Another 2001(下) (角川文庫) / 感想・レビュー
W-G
下巻ではそれなりにトラウマシーンも盛り込まれ、物語のテンポも良くなってきた。葉住周辺の不幸は結局ただの偶然っぽい感じで回収されなかったり、前作の幽霊の名前をあえて"もう一人のサカキ"にしたことも活かせていなかったり、微妙にぶん投げた気配のある伏線や設定が気になる。辻村深月さんの解説に触れて、なるほどそういう読み方もあるかと少し見直しはしたが、続編が陥る質の劣化パターンに見事にはまりそうで、次はさすがに危ないんじゃないかという予感がする。一作目と別パターンでの現象回避方法が提示できれば面白くなりそう。
2024/07/10
ナルピーチ
悪夢の再来…途切れる事のない恐怖。史上最凶の〈災厄〉が齎す〈もう一人〉の存在とは…。下巻に入ってからはずっと緊張感が張り詰めながらの読書。このホラーとミステリーが魅せる美しい“破局”は綾辻先生にしか描けない唯一無二の物語。終わって欲しくない、いつまでも読んでいたい。そう思いながら知る朗報。それはシリーズ続編『Another 2009』の構想!主人公は間違いなく“あの子”だろう。是非とも読みたい!絶対に書いて下さい🙏その時またこの壮大な『Another』の事を「考えて、そして思い出して」しまうんだろうな。
2023/07/17
相田うえお
★★★★☆23072【Another 2001(下) (綾辻 行人さん)】ほんと綾辻さん作品はどれも面白い!館シリーズも素晴らしいですがAnotherシリーズ、最高! 本作品(下巻)ですが、上巻の後半で始まった<災厄>が下巻に入った早い段階で終わったんです。ページ数もまだまだ沢山残ってるんで、まさかホラー小説から学園純愛小説にでも途中チェンジか?! などと心のツッコミを入れてたら〜ここは天下の綾辻大先生、ページを捲るにつれてメチャクチャ凄いことになってきた〜やっぱり傑作!
2023/11/04
HANA
下巻も変わらずの面白さで一気読み。誰が「それ」であるか。とどのように解決するか。が読者には解っているのに登場人物はそれを知らず、一歩一歩手探りで探っていくのはやはり倒叙ミステリの趣があるなあ。前作の登場人物の情報で全て解決するのは唐突感があるけど。そして本作の特徴は前作同様の解決で終わらず、もう一捻りしていてそれで悲劇が収まらない所か。そうなった原因も大体予想がつき、誰が原因かも消去法でわかったものの…前作とそう絡んでくるとは思わなかった。次作で最終作みたいなので、この現象がどうなるか、今から楽しみです。
2023/07/11
えみ
止まらない。その凄まじさに震えてしまう。戦慄の「ある年」の3年3組。最凶の厄災が降りかかる残酷な運命を想は、見崎は、関係者達は受け止めることができるか。そして明日へ命を繋げるか。催眠術をかけるように、呪いを摺り込むように何度も繰り返される言葉。「考えて」「思い出して」そう、誰が死者なのか知りたい、知らなければ終われない。読者という立場さえ忘れて「死にたくない」と必死で混沌の真相を探るほどのめり込める一冊。神も仏もない、残酷で凄惨な結末が待っているのでは?と覚悟しながら読むのが正解。最恐で最強の中毒ホラー!
2023/06/18
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