人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選 (角川文庫)
人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選 (角川文庫) / 感想・レビュー
里愛乍
表紙をめくった一行目から強烈な笑い声、イヤモウ堪りませんね、この独特の世界観。コンナ奇ッ怪な笑い声を表現出来るなんて、一気に小説の中に精神を引き摺り込まれてしまいます。そんなラストまで息つく間もなかった『笑う啞女』に始まり、SFとしても面白くラストは背筋がソワっとくる表題作、心理と推理を追求したミステリっぽい逸品が続き、締めは喜劇っぽい悪漢もの(で、いいのかな?)極上の短篇集、楽しませていただきました!
2023/10/31
JILLmama
初の夢野作品。これは中毒性がある!独特な言い回しに、リズミカルな文章。どの作品も楽しめた。人間のドロドロした感じ、たまらん。今は使ってはいけない差別用語満載でした。またそれが良い。
2023/06/02
阿部義彦
角川文庫少し前の新刊。ドグラ・マグラの作者、夢野久作の暗黒面の短編集。この辺は古本探偵の喜国雅彦さんも、どストライクな本ではないでしょうか。どれも初読みで楽しめました。特に良かったのは「巡査辞職」推理小説としても考え抜かれ、人間臭さ溢れています。後はラストの「超人髭博士」超人見世物芸人出身のルンペン髭博士の愉快なドタバタ冒険譚。ゴシック作品集。
2023/04/06
うーちゃん
This is 夢野久作、という感じの中短編集。1項目からピー音連発でトばしております。エログロ、幻想怪奇をベースにしつつも、ちょっとユーモラスな味わいを感じた。場面にそぐわぬユーモアなので、より不気味さや気まずさが際立つ。純粋なものが汚れていくのを見たときの居たたまれなさ、私が久作を読むといつも感じるのはこれである。
2023/05/02
sayzk
表題作、「人間レコード」は収録されている短編五作のうち二番目に短い22頁。「人間レコード」を含めて四作は再読。 「人間レコード」は、この著者の他の短編にも出てきた反共思想が表れている(※私がそれを嫌っているわけではない)。最後の解説では必ずしもそうではない旨が述べられているが。 これからの若い方々が夢野久作を面白いと思ってくれるのだろうか?私たちの死後も読み継がれていって欲しい。
2023/04/08
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