モオツァルト (角川文庫)
モオツァルト (角川文庫) / 感想・レビュー
makio37
少し背伸びをしすぎたか。モーツァルトと聞いても何の旋律も頭の中に鳴らないような自分では、共感できる部分は限られていた。しかし、そのような自分にも、著者のモーツァルトとその音楽に対する尊敬の念だけは感染してくる。「天才は寧ろ努力を発明する」からその生き方を、「捉えたばかりの小鳥の(中略)不安定な美しい命を、籠のなかでどういう具合に見事に生かすか」からその音楽を、「彼の妻は、死後再婚し、はじめて前の夫が天才だったと聞かされ、驚いた」からその人間性を想像することはできた。
2015/07/31
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