常識について (角川文庫 緑 141-9)
常識について (角川文庫 緑 141-9) / 感想・レビュー
嫁宮 悠
エッセイと言うほど、なま易しいものではなく、随筆と言うほど、情緒的なものでもない。じゃあ何かと問われれば、この本は彼の思想、人間としての姿そのものに他ならない。彼の話は難しい。扱う題材は骨董からスポーツ、読書論、文化論まで多岐にわたるが、一貫して感じられるのは、彼が装飾その他のもろもろよりも、本質を大事にしているということだ。思想のための思想に拘泥することなく、感性のままに語っている感じがする。そして私はそういう人が好きだし、自分の目指すべき姿だと思っている。
2018/11/04
くら
多分、小林秀雄氏の文章は、教科書や試験問題で出会っていた気がする。ちょっと硬い文を読むのもいいかなと図書館で借りたが、思った以上に難しく、4分の1も理解できなかった。けど、なんだろう、読んで心地よい。戦後間もない頃の外国旅行の話は、現代とは全然違って面白い。一番好きだったのは「読書について」。読書の最初の技術は濫読によって養われる、か。”書物が書物に見えず、それを書いた人間に見えてくる”とは面白い。
2015/10/25
^o^っpe
前半はニヤニヤ(^^)。ニセの骨董品つかまされて「芸術はすべて過去の作品から真似てできている。盗作か作品かはその度合いが違うだけ」と負け惜しみ言うようなエピソード多く、まさか電車の中で小林秀雄読みながらニヤニヤするとは思いもよらなかったf^_^;後半はいつもの小林先生。表題作、比喩が多く文の流れも複雑で読みにくいのだが、じっくりじっくり読むと、なるほど!と思うことが、少し見えてきたたf^_^;
2016/04/05
シルヴァ
やはり「読書について」はスゴイ。ある人の全集を読むこと,その人の日記,書簡,全てを読むことで,その人の人格が立ち上ってくるとか。そうなんでしょうねえ。
2011/10/25
OHKINA
有名な批評家のエッセイ。結構はっちゃけたことが書いてあって面白いが、所々で批評らしいことも書かれている。メリハリのきいた内容がいいと感じた。
2010/07/08
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