姑獲鳥の夏 1 (怪COMIC)
姑獲鳥の夏 1 (怪COMIC) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
祝、「姑獲鳥の夏」コミカライズ化!「鉄鼠の檻」をコミカライズする前にまずはこの本からでないと。京極堂が一巻から出ているのが印象深いです。薀蓄の上手な選択もお見事。場面転換の合間に麦茶、風鈴や太鼓といった小物の絵を挟むことで場面転換が際立つ演出効果がこの話を映画化した故、実相寺氏のカメラワークに似ていることに気づいた時、鳥肌が立ちました。これを志水さんが計算に入れたうえでやっていても、やっていなくとも凄いことです。後、涼子さんの瞳の書き方が「ウツボラ」などで有名な中村明日実子さんの瞳の書き方に似ているかな。
2013/07/25
Nishiuchi130
魍魎の箱に続き、こちらも読み始め。原作読了済みだがはるか昔のことなので大筋のみ記憶。/学生時代の先輩の奥さんが20ヶ月身ごもっており、当の先輩は密室から忽然と姿を消した。そして奥さんには双子の姉がいて、実家は代々続く産婦人科。/まあ冒頭を読んだだけで不穏な予感がてんこ盛りな事件。京極堂のオカルト論講座も含めて、読みやすい。相変わらずいいコミカライズ。空気もセリフもかなり忠実なコミカライズだが、マンガにすると京極堂がなにやら口が悪いだけの理知的な善人に見えるのはどういうことだろう。それもまた面白い。
2017/10/19
G
不安定な小説家、関口と、古書店主で神主、拝み屋でもある中禅寺(京極堂)。京極堂の「脳は嘘を吐く」という言葉に不安になりながらも、二十箇月もの間子供を身籠っているという久遠寺医院の娘、梗子を調べることになる。とにかく原作を読んで想像していたキャラクターが、まんまなことに驚いた! 京極堂の凶暴な顔なんか、素晴らしい。原作の冒頭、長い長い脳についての講釈が語られるのだが、コミカライズされると、中々理解し易い。原作既読でも楽しめるシリーズ!「この世には不思議なことなど何もないのだよ関口君」。
2016/09/21
ミエル
姑獲鳥の夏の再読、いつぶりだろう?このシリーズほど読み返したミステリは自分にはない。そう言えば、のっけから不確定性原理が出てきたんだったな、と感慨深い。この蘊蓄にハマり20数年、今回は初めてのコミカライズ。この作画が親切で良い。早速次作へ。
2019/05/17
T.Y.
ついに刊行、京極夏彦デビュー作のコミカライズ。密室から姿を消した産婦人科の入り婿、その妻は現在妊娠20ヶ月になるが、いまだに産まれる気配はない…。この1巻では事件は持ち込まれただけで、詳細はまだ語られていないが、舞台設定は圧巻。同時に、関口という胡乱な男が、実は深く事件に関わっているのだが覚えておらず、徐々に抑圧されていた記憶と出会っていく精神臨床小説としての展開を絵にする手腕にも注目したい。
2013/07/20
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