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不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
角川書店
発売日
1967-11-17
ISBN
9784041212073
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不道徳教育講座 (角川文庫) / 感想・レビュー

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三島由紀夫のエッセイはやっぱり面白いです!三島由紀夫作品って読みづらいと思っていたイメージを払拭できた本です。「不道徳」ってあんま使わない言葉をさらりとタイトルにもってくるところも彼らしくて好きです^^

2014/11/08

風眠

書き出しは不道徳のすすめ的な感じなのだけれど、読み終わってみるとカードがくるりと裏返ったように道徳の話になっている。なんてあざやかなエッセイなのだろう。昭和42年刊行、けれど古臭さをぜんぜん感じさせない。世の中が便利になり、科学技術が発達しても、人間の本質は変わらない、つまりはそういうことなのだろう。不道徳も道徳も、物事の真実は突き詰めればどちらも同じで、裏も表も、黒も白も、自分の中にある。謙虚さの裏には優越感があり、善意の裏に計算と嘘があるように。屁理屈なのになぜか納得してしまう、知的で魅力的な屁理屈。

2014/03/12

ケイ

こういったエッセイでは、「若きサムライのために」や「第一の性」の方がすごく面白くて読み応えがあったので、若干期待外れ。不道徳というしばりに、根が真面目な三島さんの書く話に広がりが少なかった気がする。なるほどと頷けるのであるが、パンチが少ない。しかし、圧倒的にこちらの方が読者が多いわけで、私はマイノリティかな。太宰について、弱い弱いとここでも書かれている。三島という人は太宰をかなり意識していたのだと思う。自分は強くなるぞと思ったのだろうか。

2016/06/29

優希

憂国忌なので、三島の作品を読もうとあまり読んだことのないエッセイを読むことにしました。読みやすいし、面白いです。大いにウソをつくべし、沢山の悪徳を持て等々、世の中の常識、良識とされていることをとことん覆していて笑えました。現代倫理からは外れていますが、敢えて不道徳を説くことで、道徳とは何かを問いかけているように思えました。挑発的なタイトルに、ただの毒舌とは異なるユーモアな語り口調。文学に絶対的に真摯な三島だからこそ、悪ノリも軽薄さも楽しめるというもの。ますます三島が好きになりました。

2015/11/25

ゴンゾウ@新潮部

「知らない男とでも酒場行くべし」「教師を内心バカにすべし」などショッキングな講座が並ぶ。三島さんのウェットとユーモアに富んだ語り口で世の中の道徳観、倫理観、常識を打ち破り独自の不道徳教育を展開していく。逆説的な語り口だが納得してしまう。人間が生きていくうえで必ず悪は発生する。それを否定せずに悪が存在することを受け入れる。きわめて実践的でインテリジェンスの高い指南書。改めて 三島由紀夫の知性と知識の豊富さを思い知らされた。

2016/07/26

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