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美と共同体と東大闘争 (角川文庫)

美と共同体と東大闘争 (角川文庫)

美と共同体と東大闘争 (角川文庫)

作家
三島由紀夫
東大全共闘
出版社
KADOKAWA
発売日
2000-07-21
ISBN
9784041212080
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美と共同体と東大闘争 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

図書館閉まって一ヶ月。息子高校時代蔵書から気になっていたこの一冊。映画館にも行けない代わりに。本当に知性のある人たちは、わかりやすい言葉で語れると思う。その意味で、難しい言葉を並べたてる彼らに合わせる三島の方が上手だと感じた。天皇陛下に対する発言は聞くに耐えない。彼らはその後なにをなし得たのか?気になり、共闘を調べてみて驚愕。ゾクッとなった。対談の一年後に彼が自決した時、彼らはどう思ったのか知りたい。元共闘出身者。猪瀬直樹、塩崎恭久、仙石由人、上野千鶴子、坂本龍一、テリー伊藤、橋爪 大三郎、等々。

2020/04/04

とくけんちょ

これは討論といっていいものだろうか。動画も見てみたが、正面から向き合っているとは言い難い。ぶつかっているようで、寸止めのような、真剣さが伝わらなかった。どこまで本気なのか。自己満足の自慰行為か。でもでも、ニホン、ニッポンの在り方について、最高学府の学生たちがここまで寄り集まり、考えようとしていることは心強く感じる。面と向かって、今の窮状を考えようとする、必要なことだと思う。

2019/06/05

Kajitt22

確かに、一人対数百人の殺気さえ感じられる討論会から、三島由紀夫は余裕を持って生還している。形而上学的とも言えるこの討論では、三島は絢爛たる言葉で学生たちの刃をかわしている様に見える。しかし、討論を終えての全共闘の戦士たちの凄烈な文章が心を捉える。それでも、この後三島は行動を起こし、割腹自殺をして返す刀でその文章をもばっさりと斬り捨てているのだ。当時、時間と空間に確かに存在した「解放区」は50年の時間の連続のなかでどうなったのか。「デマゴコス」はいまだ密かに跋扈してる。

2021/02/16

ころこ

全共闘の言葉遣いは現象学っぽいので、慣れていないひとには何のことやらさっぱり分からないでしょう。要するに彼らは、前の世代が規定した価値や秩序を壊して、自分たちがそれらをつくることで個人や社会をつくっていきたいということです。一見右翼と左翼の対話ですが、三島を「近代ゴリラ」と揶揄した一方で「先生」と呼んでみたりする甘えの世代間対立であり、1対1000の決闘かと思えば学生同士で対立があった時に学生の一方が三島に親愛の情を示したりと、リモートが流行っている昨今に人間のコミュニケーションとは何かを突き付けます。

2020/09/24

パトラッシュ

三島由紀夫が226事件の青年将校に心酔していたのは、アメリカに媚びへつらい天皇制廃止を免れた(と三島には見えていた)結果生まれた平和憲法下の戦後日本の不純さが嫌でたまらなかったからだ。その意味で全共闘の学生たちは、立場は正反対でも純粋に明日の日本を案じる同志に思えたのでは。難解な漢語や哲学用語だらけだが、憂国の知識人による文字通りの真剣勝負が展開されている。1000人余を前に一歩も引かず切り結ぶ三島に対し、学生たちも政治家や教師に対するのとは違う敬意を払っている。公開される記録映画を見に行くのが楽しみだ。

2020/03/19

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