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夏子の冒険 (角川文庫 み 2-4)

夏子の冒険 (角川文庫 み 2-4)

夏子の冒険 (角川文庫 み 2-4)

作家
三島由紀夫
出版社
角川グループパブリッシング
発売日
2009-03-25
ISBN
9784041212110
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夏子の冒険 (角川文庫 み 2-4) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

とっても軽快なテンポで繰りひろげられる夏子の物語。ここに描かれるのはブルジョアの生娘の純心と気まぐれ。主人公の夏子は、いわゆる典型的なお転婆娘だ。でも、なかなかに爽やかではある。もっとも、夏子に振り回される当事者達はたいへんだろうけれど。函館から札幌を経て、千歳近郊へと展開する北海道の風土や空気、光もまた大いにこの作品の形成に寄与している。「あたくし修道院へ入る」と高らかに宣言する夏子。小説の構成も実に見事。こんな三島もあるのだ。三島文学は、実に奥が深い。

2012/08/03

面白かったです!時々クスリと笑え、三島由紀夫の作品を読んでいる感じがしない位エンターテイメント性のある作品でした。しかし文章の美しさ、会話の丁寧さはやっぱり三島由紀夫らしいと思いました。 毅くん、夏子の思いをわかっていながら時々垣間見る男らしさにこちらもキュンとなってしまいました。でも夏子には普通の幸せを求める毅くんは物足りないんですね。。若いとどうしても刺激やスリルを求めるのでしょうか。。三島由紀夫が26歳で書いたなんて凄い!!乙女心の複雑さや北海道の町並みも細かくよく書けてます!さすがです。

2013/09/18

おしゃべりメガネ

ついに?初の三島作品です。三島作品の初読みがコレ?となるのかもしれませんが、個人的には三島由紀夫がカリスマ性の残し、今もなお語り継がれる理由が本作からでもわかるような気がします。本作はおてんばな世間知らずのお嬢様がひょんなコトから一人の青年と出会い、熊退治にのりだす話です。奇想天外ですが、そこを抜群の緊迫感と安定感で、書き綴っています。とても何十年も前に書かれた作品とは思えない、ある種の明るさや痛快さが本作をしっかり支えてくれています。何より一番の救いは主人公「夏子」の最後の‘決断’が素晴らしかったです。

2014/12/21

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

私のこと好きになる男なんてつまらない、馬鹿にされるような夢を真剣にかたってほしいのよ。星をつかむとか太陽まで翼で飛びたいとか熊を討ちたいとかね。途方もない夢を追いかける男のひとのひとみってキラキラしていて、夏子そういうのとても好きよ。 結婚なんてお勤めなんて馬鹿みたい。夏子まだ、二十歳なんだから。いっその事食い殺されたい熊に、ねがう夜の月は明るい。明るい夜に照らされる赤い血きっとドラマティックね。若く美しい軀のまま、みんなどんなに嘆いてくれるかしら。夏子そういうのがいいわ。

2020/09/29

ykmmr (^_^)

脱・『文豪』と言えるミシマのエンターテイメント的作品。恋愛要素もあるが、『潮騒』の清純さとは別。両家のお嬢様が広大な北海道で脱皮をし、『恋の駆け引き』・『自分に正直』・『情熱』を楽しんでいる。世間知らずな所もあるが、素直で裏表のない彼女を周囲は助けてくれる。周囲を振り回し、自分は爛漫。箱入り娘でも、こんな感じだったら、自分なりに娑婆でもやって行けると思う。だけど、無理しちゃダメね。

2022/02/21

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