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お嬢さん (角川文庫)

お嬢さん (角川文庫)

お嬢さん (角川文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-04-23
ISBN
9784041212141
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お嬢さん (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

新潮文庫が『豊饒の海』をはじめとして本格的な三島をラインナップしているのに対して、こちらは『夏子の冒険』などとともに、角川文庫から出ているライトな三島シリーズの1冊。主人公のかすみの価値観、世界観、結婚観など、そのすべてはことごとくプチブル的なそれである。かすみの恋愛から新婚生活までが描かれるが、それもまた相手の景一との対幻想を構成するわけではなく、彼女の個的な幻想が小さな枠組みの中で自己完結するだけである。「女」を描くのが実に巧みな三島だが、ここでのかすみ像を見ると、女をあなどっていると言えなくもない。

2012/12/20

じいじ

過日の『愛の渇き』は苦戦の読書でした。さて、表題からして親近感を抱かせる今作。これホントに三島由紀夫が書いたの?!…と読みながら思った。主人公はすべてに恵まれた家庭のお嬢さん・かすみ20歳女子大生。この主人公、人生に夢を抱き「結婚には恋愛は無用!」と豪語します。或る日、家に訪れた父の部下の青年に興味を…、好意から愛へ、やがて恋にそして結婚へと、かすみの心の移ろいがこの物語のポイント。初めての接吻の描写は、三島の真骨頂。美しく瑞瑞しくて巧いです。三島が描いたユーモアあふれる結婚物語は、愉しく面白いです。

2019/10/26

さつき

これが三島由紀夫の作品なの?と驚いたのが第一印象。昭和30年代のお金持ちのお嬢さんの結婚にまつわる顛末。昔の銀座や渋谷の街の雰囲気を味わえて楽しく読みました。いくら何でも、こんな呑気なお嬢さん、当時でもいないだろう…と思いますが、そうやってクスクス笑いながら読むべき作品なんだろうと思います。今まで読んだ三島の作品とはだいぶ毛色が違うので驚きました。

2019/09/25

最後にあの浅子が良い人になっているのが良かったです^^かすみとは恋敵じゃなかったら良い友人関係だったんでしょうに。 かすみは頭は良いかもしれないけどやっぱり世間慣れしていないのかな?恋愛経験もなく、お嬢さん育ちで親の期待を裏切らずに育ったから、一太郎には何かしらで反抗したいと思うところは少しわかる気がします。

2013/10/19

優希

一体何処の少女小説ですか!?と思わされますね。健全で幸福な家庭のお嬢様である女子大生のかすみの恋の物語です。藤沢家を訪れる男性たちは皆花婿候補のようですが、かすみはその中でも沢井に興味を抱きますが、彼がプレイボーイと知り、ますます惹かれるというのが凄いです。普通プレイボーイは嫌ではないのかと疑問になるのですが。しかも隠し事なしを条件に結婚するのだからやり手です。結婚後、彼の独身時代の奔放さを思い出しながら悩んでもちょっと遅いかなと。誰でも経験するであろう女子の心の迷いとか不安に共感しました。

2014/09/17

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