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愛の疾走 (角川文庫)

愛の疾走 (角川文庫)

愛の疾走 (角川文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-11-25
ISBN
9784041212172
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愛の疾走 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

1962年に「婦人倶楽部」に連載。三島由紀夫は円熟期の37歳。この小説では客観体の叙述を軸としながら、所々に登場人物たちの1人称体の語りが配されており、その意味では幾分実験的な試みではあるのだが、残念ながらそれは必ずしも成功しているとも言い難い。諏訪湖畔で細々と漁業に従事する青年、修一を主人公に設定した点では『潮騒』に似ていなくもないが、彼の恋の相手はモダンなカメラ工場に勤める美代である。この二人の恋の行方が、アマチュア作家大島の作中作『愛の疾走』と並行して描かれてゆく。この点でも実験的ではあるのだが…。

2012/11/06

青蓮

三島由紀夫のエンタメ小説。素人作家の大島が小説「愛の疾走」を執筆するために、漁業を営む青年・修一と近代的なカメラ工場で働く美代に恋愛をさせようと企む。仕掛けられた恋愛の行方は如何にーー本作もとても楽しく読みました。劇中劇というのがミソ。大島の奥さんが気風が良くてがカッコイイ。彼女が恋のキューピッド。三島はこういう女傑を書くのが上手いと思う。修一のような朴訥な青年って今はあんまりいないような。彼のうじうじ悩んでる姿は書かれた当時は「奥ゆかしい」という美徳だったんだろうな。三島文学に初めて触れる人にもオススメ

2017/04/25

じいじ

舞台は風光明媚な諏訪湖畔、相変わらず三島の情景描写が美しい。純情な漁師の青年と湖畔のカメラ工場で働く美女との恋愛小説である。恋にうぶな二人、初キス同士の描写は初々しく眩しい。ちょっとコミカルで、ユーモアセンスにあふれた作品です。

2020/02/10

優希

いやぁ面白いですね。素人作家の大島が小説のネタに恋愛をさせようとする構成が見事です。白羽の矢が当たったのが純朴な漁師の青年・田所とカメラ工場で働く美代。彼らに恋愛をさせるように企み、小説を書こうとするのが何とも言えませんよね。しかし夫の小説の趣味に反対する妻が全てを田所に打ち明けてしまうので、仕掛けられた恋がどうなるのかハラハラしてしまいます。するする読めるテンポの良さと密かに痛快な要素を盛り込んだ楽しい作品でした。

2014/09/06

優希

再読です。素人作家が小説のために恋愛をさせようと企む構成が面白かったです。自分の小説のためなら策略を立てても良いということでしょうか。仕掛けられた恋愛の行方はどうなるのかを楽しむエンタメと言えますね。

2023/11/28

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