淀どの日記 新装版 (角川文庫 い 5-7)
淀どの日記 新装版 (角川文庫 い 5-7) / 感想・レビュー
ミユ
あくまでも茶々の目線で進むので歴史的な戦も事件も伝え聞いた、次女たちが噂を教えてくれたというもの。この本の淀殿はとても人間味のある女性として描かれている。よく言われる悪女でもなければ、極端に美化したものでもない。嫉妬もすれば誰かを嫌いになることもある。時には悪口だって言うし、我が儘も言うだろう。でも小督が佐治一成に嫁ぐときは彼女にとって幸せな縁組なのか心配したり、京極高次や蒲生氏郷に恋心のようなものを持ったり、秀吉に対する心の動きや揺らぎに戸惑ったり、等身大の女性としての茶々がいました。
2016/06/27
i-miya
2011.08.04 (カバー裏) 茶々は眼をつぶった。父、浅井長政が、母、お市の方が、伯父、信長が、みなそうしたように短刀を執る時刻を待った。城を焼く煙、水煙のように空を流れる。悲運の生涯、秀吉の側室、淀どの。(井上靖) 1907、北海道旭川市生まれ、京都大学文学部哲学科卒。大阪毎日新聞勤務。1991死亡。(解説=篠田一士) 1955.08-1960.03、別冊文藝春秋、6年間、長い。リリシズムをどう生かすか。
2011/08/03
河内 タッキー
浅井三姉妹の長女として、秀吉の側室として、秀頼の母として、波乱に満ちた茶々の人生を間近で見てきたような読後感。悪女として描かれることが多い茶々であるが、この作品を読むと魅力的な女性だと思わずにいられない。
2019/10/27
百合子
浅井長政の娘であり、織田信長の姪。そして豊臣秀吉の側室となった茶々=淀どのの一生とは…。歴史は視点を変えれば見えるものが変わる。茶々が時代に翻弄されながら必死に生きていたのがよくわかった。大河ドラマにもなったが浅井三姉妹は本当に数奇な運命だった。2007年「茶々─天涯の貴妃」というタイトルで映画化。
2015/05/26
石川さん
3度の落城、一族の仇・秀吉、そして二人の妹との対比。淀君の一生って、どのシーンをきりとっても、すっごく文学向きだと思うんですけど、あまりみないですね。大河すぎちゃって扱いづらいのでしょうか?若手の女性作家さんあたり書かないかな。この本は淡々と淀君を扱ってます。物足りないなって思う人もいるかも。あと京極忠高ってお初の実子ではないような…。細かいですがそこはちょっと気になりました。
2010/04/03
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