聞かなかった場所 (角川文庫 緑 227-28)
聞かなかった場所 (角川文庫 緑 227-28) / 感想・レビュー
葉
物語の始めが神戸なのがよかった。妻の英子が心臓麻痺による急死で、その間の謎を解き明かす悲劇のミステリーだ。浅井の気持ちは愛よりも愛でるという表現が近いのではないかと思った。浅井の本能的かつ打算的な考えは好きだ。それに比べると久保の存在は少し薄い。
2017/12/10
kemonoda
普通の(真面目で良心的で常識的で小心で狡くて自己本位な)人間が、ふとした瞬間に普通の人生から墜落していく、その過程のリアルさ。 特別な事件を描くのではない松本清張さんの推理小説の醍醐味はそのリアルさにあるのだということですね。明日自分の身にその暗転/転落がおきるかもしれないということ。 主人公浅井さんが亡き妻への疑惑をあたためて部分を克明に描くどちらかという被害者としての前半部分と、一転して加害者となり破滅していくさまのスピード感の対比が凄い。 面白かったです。
2013/02/07
イカ男
松本清張の短編に「退屈」の文字はない。
2012/10/28
mariemaruru2
昭和46年4月まで週刊誌に掲載されたとのこと。主人公は平凡な下級官吏だそうですが 現在の同じような方と 仕事の内容がどう違っているのか気になりました。接待なんて(国民の税金を使って) 無駄なことに思えますが。肩書きだけの男の世界ですかね。あらすじだけなら 5行ほどで書ける話が いろいろな場面や登場人物でここまで拡げることができる、さすがですね。
2011/11/22
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
◎…事件を追う人が追われる人になるという予想外の展開が物語を面白くしています。
2008/10/26
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