灯のうるむ頃 (角川文庫 緑 245-17)
灯のうるむ頃 (角川文庫 緑 245-17) / 感想・レビュー
Takashi
主人公とその息子の真っ直ぐで不器用な生き方が滑稽で、またそれが心に響いた。臨場感があり、後半は疾走感を伴って一気に読めました。ほろ苦いけど爽やかな後味。昭和の漫画みたいなユーモア。
2017/04/03
桜もち 太郎
遠藤周のほとんどの作品のなかには、人の中にキリストの姿を見出している。この作品も癌研究に邁進する貧乏な町医者の中にそれはある。町医者が学会という組織が壁となり屈辱を味わう場面や、息子が恋にも受験にも失敗する場面。報われない人生を送る二人に対して「男というものは・・・」と、心の中で分かり合える場面が良かった。遠藤周作の作品は「沈黙」や「海と毒薬」のような研ぎ澄まされた作品と、このような中間小説のような作品があるが、それには区別がなく作者の優しさと信仰心が常に表現されているような気がする。
2013/08/02
蘇芳
コメディっぽくもあり、その時代の匂いもかげる。けど受験生はあんまり読まないほうがいいかも。運が透けて見える。
2004/09/20
さつきんぐ
投稿文79→一生懸命努力しても報われぬ人間の悲しい人生。遠藤先生が眼差しを向けるのはいつだってそんな人々。父と子が同じ轍を踏むところに胸がジンジンした・・・。
2023/03/16
Aya Sawada
高校時代に初めて読んだ遠藤周作。高校時代に読んだ時と読後感が違うのが不思議。がんばったからと言って結果が報われるわけではない。結果を求めて頑張るわけではない。あぁ無情。
2014/01/01
感想・レビューをもっと見る