街の底で (角川文庫 緑 250-3)
街の底で (角川文庫 緑 250-3) / 感想・レビュー
shizuka
時代だなー。でもわたしの知らない現代の『街の底』もこんな感じなのかな。ある男と娼婦の物語。最初は入れあげ、途中で逃げ回り、最後は警察で再会し、いたずら心でまたホテルへ繰り出すという。男視点で書かれていて、娼婦は『街の底』の住人で、自分はそこに定着もできず‘旅人’であるって〆てるけどさー、わたしからしたらあなたも立派な住人だわ。まあ、ちょっと地上へ這い上がれるチャンスがあっても、自らの意志で断り、漂ってるのは旅人ぽいけど。行く先が心配だわ。でもずっとそこ=底にいるんだろうなあ。老後は屋上で商売かなw
2015/10/01
Tomoaki Yoshino
1960年5月19日から1961年1月29日まで250回にわたって「東京新聞」夕刊に連載されて、吉行淳之介にとってはじめての新聞小説だったよう。当時の風俗があり、吉行文学得意の男と女の生と性が描かれている。佐竹の娼婦を避けつつも、娼婦宿に行ってしまう佐竹の心を巧みに表現されていた。
2016/11/01
mkn 14th
現代にも通じるものを感じた。というか病理と健康みたいに、よく考えたら境界がとても曖昧なものはたくさんあって、そういったものに普遍的に通じる話だと思う。とても共感できたし面白かった
2016/04/16
cocobymidinette
そろそろ起きないといけなくて、体が疲れていてまだ眠りたくて、少し悪い夢を見ていて、でも眠ることへの心地良さのほうが勝っていて、ゆるゆると悪い夢のなかにいるときのようだ。この類の吉行作品は。
2013/08/05
Bukowski
主人公は”青年”のはずだが、気が付くと自分の頭の中のイメージが”おっさん”となってしまっていた。この頃の青年とは、今と比べるとかなりなおっさん臭さがあったのだろう。あまり魅力を感じないキャラなのに女にモテモテとはいかにっ?女を見下すような表現(と自分は思った箇所あり)に時代を感じた。
2011/09/13
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