KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

非色 (角川文庫 緑 262-2)

非色 (角川文庫 緑 262-2)

非色 (角川文庫 緑 262-2)

作家
有吉佐和子
出版社
KADOKAWA
発売日
1967-11-01
ISBN
9784041262023
amazonで購入する

非色 (角川文庫 緑 262-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みっちゃん

かなり憂鬱な読書になるかも、と覚悟していたが一気読みしてしまった。確かに内容はかなり悲惨だ。終戦後、焦土と化した日本の地で輝いて見えた黒人兵の夫と自分の未来。が、希望を胸に渡ったアメリカでは夫はその輝きを失い、疲れ果ててハーレムで暮らしていた。自分より下層の存在を見つける事でしか保てないプライド。どうしようもなく存在する差別。が、そんな逆境の中で、主人公の逞しいこと!意に反して何人も子を産む事になり、迷い苦しみながらもわしわしと働き、へこたれない。そして辿り着いた境地には思わず拍手を送りたくなった。

2022/02/06

Comit

図書館本~終戦後、黒人と国際結婚した笑子の半生、戦争花嫁として日本、そしてアメリカで過ごした苛酷な日々を描く~内容は人種差別提起で、肌の色だけでなく、国や学歴、奴隷時代の名残りなど、様々なものが複雑に絡み合っているように感じました。でも本質は人は相手に対して自分より劣っている所を見つけ、お互いを蔑みあって、、、そうすることで自分を保とうとする。これって、、、今でもありますよね。昭和42年発刊、今読んでも凄い衝撃だったのですが、当時の人はどんな気持ちで読んだのだろう(っ ´-` c)

2020/08/31

Qちゃん

有吉佐和子さん初読み。長編でもスラスラと読みやすい。人種差別の内容は、辛くなるところも多々あり、色々と考えさせられた。時代に関係なく読める内容だと思う。

2017/10/09

James Hayashi

戦後の日本で黒人との混血児を生み、世間を敵に回したような境遇に陥る笑子。夫のいるニューヨーク移住するが、そこでも差別を感じざるをえない。プエルトリカン、ユダヤ人、アフリカ人と誰もが誰かに優劣の意識を持っている。著者に自分の内心を見透かされているようでエログロ小説よりも読み辛かった。エログロであれば小説と割り切れるが、自分も米国で暮らし苦労されてこられた方を知っているし差別を肌で感じてきたので現実味があった。人種問題を扱っているが、人種対立でなく人種偏見を扱ったもの。心にズシンとくる作品である。

2016/01/11

たかこ

#読了 恩師の本棚から頂いたもので約1年の積本。長距離の電車の中で読むに良さそうなボリューム…と思って読み始めたらかなりの衝撃。人種差別を知識として知っていても、このように訴えかけられたら、誰の立場になって読めば良いのか…。ユダヤ人、イタリア人などの白人、NY、アフリカに住む黒人、プエルトリコ人、そして混血の子どもたち。自分より下の階層の人種がいることによって保たれる自尊心。人間が生きていることの最低のところで支えているものは何なのか、色からの解放なのか、階級闘争なのか。どこまでいっても相対的な世界。

2021/12/27

感想・レビューをもっと見る