西成山王ホテル (角川文庫 緑 268-7)
西成山王ホテル (角川文庫 緑 268-7) / 感想・レビュー
ぷっくん
お正月明けに大阪に遊びに行き久々に通天閣周辺にも行ってみました。この本は、昔の西成、ドヤ街で暮らす人々を描いた短編集。日雇いの男や、飲み屋の女、娼婦、サンドイッチマンなど…色んな人の生活が見える男女の話になっています。かなり暗い話ばかりですが、悲しみがひしひしと伝わり、後味が悪くなるものも。今は綺麗な街になっていますが、昔の西成を想像しながら興味深く読めました。図書館の書庫より貸し出しされましたが、かなり古かったです笑。
2017/02/17
新田新一
大阪の西成を舞台にした小説が収められています。いわゆるドヤ街のある場所で、そこで地を這うように生きている男女のやるせない恋愛が描かれ、読んでいると胸が苦しくなりました。あっけなく人が死ぬ話が多く、命のはかなさが身に沁みます。昭和の頃の話なので、書かれている風俗は古びていますが、人物描写は確かで、文章も整っているので良い小説を読み楽しみを味わえます。体が不自由な女性が、サンドイッチを好きになる「湿った底に」が私のベスト。悲しすぎる結末が胸を抉ります。
2024/01/14
こなつ
この夏、西成へ行ってきました。黒岩重吾の本をたまたま読んだのがきっかけ。西成を舞台に生きる人たちを描く、生臭くて悲哀に満ちた1冊。この地区のことは頭の隅においておかなきゃいけないことのひとつだと思います。
2012/08/18
しょうご
大阪、西成という街。縁のある街である。1980年、18歳になったばかりの頃、一年住み込みで働いた。通常に住んだというより「西成」に根深に密着した日々だった。木津川と阪神高速に挟まれた北津守・津守・南津守と呼ばれる地域だった。経験は僕の精神力を頑丈にし、ちょっとやそこらのことでは「驚かない(驚けない)」図々しさを与えてくれた。周りの同級生が子供にしか見えなかった。 http://iwasashougo.com/weblog2017/blg20170904.html
2017/09/04
はまちゃん
この作品は一種異様な暗さに満ちている。しかし、ずっしりとした肯定感が残りました。
2016/06/11
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