美少女一番乗り (角川文庫 や 44-2)
美少女一番乗り (角川文庫 や 44-2) / 感想・レビュー
南北
山本周五郎が少女小説を書いていたことに驚いた。短編が10こあり、1つを除いて「少女倶楽部」に掲載されたものだ。戦前の少女たちがこれを読んでいたと思うと少し意外だったが、美談や活劇などさまざまなジャンルで少女たちの活躍を読むことができる好著。
2021/01/22
ちゃいろ子
少年少女のために書かれたご本だそうだが、 おばさんもとてもとても楽しみました! 外見だけでなく中身も美しい清廉潔白な主人公たちが 勧善懲悪の世界で大活躍! 心が疲れた時に読み返したくなりそうです(*^-^)
2020/10/13
シブ吉
一度読み始めると、たちまち展開に引き込まれ、夢中で読み進めてしまう短編集でした。幼なじみの清吉と、隠れん坊をして遊んでいた骨董商の娘・お通を襲った悲劇の連鎖。島津家から預かっていた「家宝の冑(かぶと)」の紛失で、窮地に立たされるお通の行く末に、ページをめくるスピードも速まった『歔欷(すすりな)く仁王像』から、最終話の表題作『美少女一番乗り』まで、それぞれに登場する人達の物語に酔いしれました。中でも『戦国会津唄』の、友人知人から家族にまで蔑まされるほど、お金に執着する倹約家・岡野左内の物語が心に残りました。
2013/05/24
のびすけ
少女向けの雑誌に発表された作品を集めた短編集。娘や若者たちの活躍が描かれ、展開も分かりやすく読みやすい。先日ドラマ化された「鳥刺しおくめ」がお気に入り。鳥を採って売り、病身の父に代わって家計を支えるおくめ。知恵と勇気で悪者の陰謀を暴くおくめの活躍が痛快。「美少女一番乗り」は人里離れた山奥で暮らす一族の娘お弓の活躍が、一族と国の危機を救う。「誉れの競べ矢」では、弓矢の名手小菊が父の汚名を晴らし、領主政宗が詫びのため自ら隻眼となる顛末。どの物語も周五郎先生から少年少女たちへの示唆に富んだ素敵な作品集でした。
2022/04/03
りすちゃん
少女向け雑誌に掲載され、新潮社の全集にも収録されていない貴重な一冊とのこと!タイトルがずるい「美少女一番乗り」手に取るしかないでしょう…!乙女主人公もあり、男性主人公もあり、全部に心奪われる短編でした。全話、お気に入り。全話、大好き。人情どんでん返しとでも言いましょうか、スカッとしつつ胸が熱くなるお話ばかりです!殊に女が身分上の方に忠実であり謙虚に、それでいてしっかりと意見をお伝えする姿ってなんて美しいんでしょうね…「申し上げます」の強さ。男女ともにかっこいい人ばかりでした。
2023/04/04
感想・レビューをもっと見る