薪能 (角川文庫 緑 298-2)
薪能 (角川文庫 緑 298-2) / 感想・レビュー
遥かなる想い
能楽の世界に生きる男女の哀しい恋の物語である。壬生俊太郎と 昌子 …没落した旧家の娘 昌子の心の揺れは ひどく繊細で、矜りと 女の生臭さの 戸惑いを 著者は巧妙に描く。 奈良の薪能のかがり火は 滅亡の火だったのか? 昭和らしい滅亡の雰囲気が濃ゆい 作品だった。
2018/10/21
kayak-gohan
表題作の「薪能」の他、「四月の雨」「情炎」「焼けた樹のある風景」所収。いずれの作品も滅びの美学あるいは愛の確かさがテーマ。そのテーマの描かれ方は登場人物の心情と性の交錯が軸になっている。能や和歌などの古典芸能が心情に綾なす舞台装置として用いられており、そこに流れる妖しさや切なさには心惹かれる。
2013/05/02
Taito Alkara
愛と欲が重苦しくて、でもそんな中に光も見えたりして。不幸には映るけれども人間の側面をうまくにじませている。
2016/11/22
ムー
立原正秋の得意の全作哀しい愛の物語です。でもこの世界観は合うんだよな。次も又期待だ。
2017/06/19
りかさん
どれも、艶めかしい大人のお話だった。特に「薪能」は最後がよかったなぁ。。。 最近、年を取っていくことを実感。あたしもこういう恋愛する時が来るのかなぁ
2014/06/20
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