辻が花 (角川文庫 緑 298-5)
辻が花 (角川文庫 緑 298-5) / 感想・レビュー
ミカママ
ミカママ学校入りたて当時、同級生の女子(造り酒屋の一人娘)がお着物の写真集を眺めながら「うわぁ、一色辻が花やん、こんなん欲しぃわぁ」。着物といえば当時七五三くらいのわたしには、衝撃的な一言であった。閑話休題。日本芸能に心酔していたという作者が、能楽を背景に描いた作品を含む短編集。わたしも前回の帰国で歩いた雨の鎌倉能楽堂、八幡宮を思いながら読んだ。当時の不倫事情、携帯電話のなかった時代に、人はどうやって逢瀬を重ねていたのかが興味深い。この時代にも主導権を持った女性は居たし、そんな彼女たちはとても魅力的だ。
2021/11/03
金吾
日本の伝統に対する深い理解に裏打ちされたきれいな表現でどろどろした話を書いています。「辻が花」の四郎には全く感情移入ができませんでした。
2024/09/15
彩
むかいあって話しているときより、別れてからの方が、こちらに印象を残す人だったーっていう表現の艶っぽさがとても好き。終始女性の妖しくも美しい魅力と、それに翻弄される男の人のことを描いた作品だらけ。女性の側に夫がある、いわゆる不倫小説や情夫小説なんて言葉でひとくくりにできてしまうシチュエーションながら、その描かれた女性たちの美しさに魅了されているうちに読み終わります。
2021/05/29
c7_choco
濃厚な性と人間の話。どろどろではなく、やんわりとしたながれ。読んでいて、生ぬるい気持ちになりました。
2010/03/18
モモイロペリカン
涙涙涙涙涙涙涙涙。死ぬまでに立原の作品を全部読もうと決めました。
2021/04/14
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