春の病葉 (角川文庫 緑 298-13)
春の病葉 (角川文庫 緑 298-13) / 感想・レビュー
金吾
立原正秋さんの文章は教養に裏打ちされた落ち着きを感じ読んでいて落ち着きます。それでいながら話はどろどろしている話が多いです。「合わせ鏡」のシニカルな部分が良かったです。
2024/03/03
山内正
女の店?バーなのか? 下着の覗く人形と女面を見て引き返した この家の奥さんだろうか 缶詰に入った下着を勧められ買う事に 誰に挙げる訳にも行かずに仕舞った 週に一度立ち寄るバーのママに店の話が 出戻りなの三度結婚してね ママと同じ年の三十ニだった 十二月に店は無くなっていた 好きな人と暮してるとママが 一月して心中したとママは今夜お通夜で 入口には柊の生垣が巡らされ 微笑で迎えてくれた顔を思い出す 落葉を踏みながら林道を歩きながら
2023/06/26
山内正
長楽寺だけじゃ判らないわ行くわよと藤子 この女に追いかけられる謂れはない 鎌倉を出よう 一度だけこの出戻り女の家に行った、三十五にしては厚みのある腰 綾子は香川家の主と母の子かは判らないと言う 異母兄妹とは 周りの男がいるのに知也がと六本木で遊んできた藤子を一瞥しただけの知也にが異笑う色に見えた 十年にもなるいつ子の一度の交わりをふと考えてしまう今は五十二か 父は漁師で母は奉公に行っただけと綾子が 今は戻れないと見つめる 五日居続けた藤子は置き手紙して何時東京に来るのと出て行った 馬鹿な女だと婆やが
2023/05/10
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