夢は枯野を (角川文庫 緑 298-15)
夢は枯野を (角川文庫 緑 298-15) / 感想・レビュー
さざなみ
若かりし頃にはやった不倫ドラマを思い出すような下ネタを扱った小説だが、作者の筆力のおかげで崇高な雰囲気でたのしませて頂いた。 東福寺の庭がたびたび出てきた。 具体的な名前は伏せられていたが、私も行ったことがあるあの庭に違いないと思いながらの読書だった。
2020/09/18
Shota Kumakura
数年ぶりに再会した人妻への想いを、その嫁ぎ先の庭に込めた作庭家の男。その庭を四季を通じて眺めるうちにその想いを自分のなかに確かに認め始める女…。お互いに成熟した男女の心のひだを日本の伝統芸能「作庭」を軸に風雅に描いた小説。読み終わって一服してから考えれば、庭に執着する男も、家庭を壊してまで男に向かう女も、その原因となった庭を壊す女の夫も、すべてが滑稽に思えてくるが滑稽で世に溢れた話をここまでシブく感じ入らせる文章で著し、しかもそれが主張し過ぎない、というこれが著者の実力なのかと思った。
2015/10/17
翠
志田英治、水江夫婦、造園家の加瀬雄策。 庭の姿に、人の「肉」を見る。
2011/02/19
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