鎌倉夫人 (角川文庫 緑 298-20)
鎌倉夫人 (角川文庫 緑 298-20) / 感想・レビュー
じいじ
舞台は古都鎌倉。鎌倉駅前を颯爽とライオンの子を散歩させる32歳の女(鎌倉夫人)が主人公。さて今作、表題イメージとは裏腹に性への欲望が生々しく剥き出しに描かれている。登場人物たちのキャラも好きになれません。これまでの立原小説で味わったことのない陰湿さを感じます。例えば、夫の浮気からすでに破綻の主人公夫婦だが、嫌悪、離婚の気持ちを固めた妻が、夫の愛撫を受け容れてしまう。女の悲しい性なのだろうか? 目下、入れ込み中の立原小説だが、今作は今ひとつしっくりいかない作品でした。つぎに期待したい…。
2018/10/05
midokame
★★★
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