悪魔の寵児 金田一耕助ファイル15 (角川文庫)
悪魔の寵児 金田一耕助ファイル15 (角川文庫) / 感想・レビュー
セウテス
金田一耕助シリーズ第20弾〔再読〕都会バージョンの乱歩風スリラーパターン。横溝先生は、ミステリ誌で地方の慣習などをモチーフにした本格ものを、大衆紙で本作の様な風俗ものをと作風を書き分けています。物語は、雨の日に現れる謎の男、雨男が引き起こす連続殺人事件。しかし遺体は、剰りにも無惨であり、これでもかというよう陰湿な装飾が施されていた。こうした遺体を冒涜した犯行が印象強いが、テンポよくスリリングな展開は読みやすい。犯人、犯行の謎が明かされた時タイトルの意味が解るのだが、その意味深さに思わず背中が冷たくなる。
2017/10/09
geshi
エログロを前面に押し出した通俗探偵小説。金田一耕助が出てきたら事件が終わってしまうので、新聞記者・水上三太をもう一人の探偵役にしてリアルタイムで事件を追わせることでスリリングな物語展開にしている。一章あたりが短いのでテンポよく読めるけど、謎解きに関しては期待してはいけない。犯人が被害者に施す冒涜的な装飾で目を引いて、欲にまみれた人間関係で引っ掻き回しても、犯人当てが2時間サスペンス級に稚拙。犯人が「悪魔の寵児」なら本当の「悪魔」は誰なのかと思わせる不愉快な幕切れ。
2017/06/12
yucchi
精力盛んな50代のエロオヤジと複数の愛人の酒池肉林の話。金田一は相変わらず事件を未然に防げないし、結局犯人死なせちゃうし。ラスト3行が不穏な空気を醸し出している。新たな悪魔の寵児になるのか。
2015/10/18
sat
かなり変態な猟奇殺人事件でした。あまりの変態っぷりに、読み進めるのが辛かった。金田一さんの存在もうすく少し残念に思えた。
2016/09/30
annzuhime
姉からの借り本。お初の作家さん。初めて読む横溝作品がコレじゃちょっと…と言われながら借りました。手元にコレしかなかったので。本格推理というよりもエログロ小説。時代背景も相まって、表現の仕方がすごい。でも読みやすくて面白かった。金田一耕助の出番が思っていた以上に少ないし、影薄いし、撃たれるし。こんなもんなんだと意外に思った。けど最後の数ページでの推理はお見事。タイトルの悪魔の寵児はあの人だとしても、本当の悪魔は別の人だろうな。次に読むとしたら、無難な八つ墓村にしようかな。
2017/08/20
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