仮面劇場 (角川文庫 緑 304-18)
仮面劇場 (角川文庫 緑 304-18) / 感想・レビュー
のびすけ
瀬戸内海に漂う小舟に横たわる盲聾唖の美少年・虹之助。彼を助け出したことで次々に起こる殺人事件。事件の謎を由利麟太郎と三津木記者が追う。甲野家の人々の複雑な血縁関係と、虹之助の盲聾唖の意外な事実。虹之助の不幸な境遇を思うと、この結末はちょっと居たたまれなかった。虹之助の心の内をもっと知りたかった。由利先生の潮風にたなびく白髪が格好いい。
2021/01/17
Yu。
一体誰が‥ なんの目的で‥ また彼は果たして誰なのか。。生きながらにして水葬された身元不明の三重苦の美少年の救出劇が皮肉にも連続毒殺事件の引き金となる由利先生&三津木記者活躍の怪作ミステリ「仮面劇場」。“人を呪わば穴二つ”‥なんと三津木記者の妹の身に起こる哀しき恨みの方程式「猫と蠟人形」。その巧いフェイント術が見事な着地を生み出す「白蠟少年」の三話から成る長・短篇集。お、おもしろい!!どれもがアタリ作品なのだが、視えない、聴こえない、話せない、というとんでもない人物がキーパーソンの「仮面劇場」は別格です。
2016/12/09
Kouro-hou
毒々横溝三本立て。戦前の横溝作品は草双紙の影響が強く、妖しい悪属性の美少年がしばしば登場する。『仮面劇場』はその代表格で、海で三重苦の美少年を拾ったら事件山盛りで大変な事にというお話。何度か改題改稿されており、「旋風劇場」から「仮面…」に大幅改稿された際にもう一つの悪美少年話の代表格『真珠郎』と設定を住み分けした印象がある。探偵役・由利先生は空気。収録作『白蠟少年』は短篇ながらトリッキー且つ出オチ的真相も含めて中身の毒々度は横溝屈指。『猫と蝋人形』も酷い話ながら、前後の毒が強力すぎて地味な印象なのが不幸。
2015/08/17
不見木 叫
由利麟太郎シリーズ。表題作は犯人の意外性はあまり無いが、凶器の隠し方に関してはその犯人ならではだと思った。
2014/02/13
shiaruvy
★4.5 【ネタバレあり】 [S51.12.10 11版] 『真珠郎』『蔵の中』らと同じ幻想妖艶な正史翁のもう一つの世界である大好きな表題作。 「ヘレンケラーはいい人なのに。うへぇ」の小学時代のメモ発見し,結末にびびった記憶が蘇る..。 由利センセーや三津木くん+両性有具(不具?)者擬きは鉄板もので,大人になってもゾクリゾクリざわざわ感が楽しめる。 三津木+等々力警部ものがあったことすっかり忘れていた。(^_^;) 次は『夜光虫』と『白と黒』の平行読み予定。
2013/05/14
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