夜光虫 (角川文庫 緑 304-24)
夜光虫 (角川文庫 緑 304-24) / 感想・レビュー
Kouro-hou
戦前の由利先生シリーズ。ただし由利先生は果てしなく空気で、肩に人面瘡のある絶世の美少年鱗次郎さんが主人公。戦前によく出てくる横溝絶世美少年は、大体犯人か性格に多大な問題があると相場が決まっているんですが、こちらの鱗次郎さんは後のジュブナイルの系譜に属するためか性格が素直でよろしいというレア物件。そのせいか他の凶悪美少年連中より影が薄かったり、敵に一方的にボコボコにされてたり苦労しています。人間関係は狭くてドロドロに加えてフリークス大集合と今となっては厳しいモノもありますが、読後の印象は明るい冒険譚です。
2015/06/03
Yu。
護送中に逃げ出し、また他の者達にも追われる謎多き美少年に一体どんな秘密が隠されているのか。。差別ネタ満載というなんでもアリな風呂敷を解いてみたら哀傷の音色が聴こえてくる。。本作は由利先生シリーズというより“探偵小僧”こと御子柴進活躍の巻で良かったのでは‥。
2018/03/31
林 一歩
好みは分かれるかもしれないが、由利、三津木コンビの冒険活劇モノを読むと一気に12歳の頃に戻ってしまいます。
2013/04/30
アーチャー
横溝作品は何作か読んではいるが、由利&三津木コンビの作品を読むのはこれが初めて。原作に忠実な映像化は到底無理なタイプの作品だが、読んでるときには、あまりにそれらが(それらが何かは読んで確かめてくださいませ)普通に書かれているので気にならなかった。ただ謎のカギを握る人物である”ゴリラ男”が、何度もこれまた普通に”ゴリラ男”と書かれてるのが笑えてしまった。
2013/11/21
乃木ひかり
本陣殺人事件が世に出る10年前に書かれた本。同時期に出た真珠郎と比べてもあんまりよろしくない気がする。面白くなくはないがもっと耽美か怪奇に振りきってもよかったのではなかろうか。
2020/02/06
感想・レビューをもっと見る