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死神の矢 (角川文庫 緑 304-33)

死神の矢 (角川文庫 緑 304-33)

死神の矢 (角川文庫 緑 304-33)

作家
横溝正史
出版社
KADOKAWA
発売日
1976-05-01
ISBN
9784041304334
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死神の矢 (角川文庫 緑 304-33) / 感想・レビュー

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nobby

何とも酔狂な求婚話が導き出す真相が清純なだけに悲しい。那須与一ばりに海上のハートのクイーンの的を船上から弓で射抜いた者と結婚させる、まさにB級な嫁取り合戦な若者3人が皆いけ好かない堕落者ばかり…もう題材通りに起こる連続殺人は、怪しい人物や鉄壁のアリバイ示されながらも予想の範疇での解決。相変わらず「あのひとほんとに名探偵なんですか」と嘲笑されても静観する金田一だが、今回はあたかも三本の矢の導きをわざと待っていたかのよう…同時収録短編「蝙蝠と蛞蝓」蝙蝠男の耕助の語呂の良さに笑いながら30頁でのオチもなかなか♪

2019/02/26

HANA

再読。表題作はユリシーズを模して婚約に際し的当てをさせる趣向が行われた所、次々にその矢で求婚者たちが…という設定は面白い。が、やはり全盛期を読んでしまっている身としては、物足りなさを感じてしまう出来というか。個人的にはもう一つの収録作「蝙蝠と蛞蝓」が傑作。数十年以上前に読んだ事があるが、トリックも最後の一文も覚えているのはそれほど印象深かったせいか。あらましはある学生のアパートに男が引っ越してくるのだが、その男がくたびれた和服という時点でファンには堪らんのですよ。この作品だけでも本書は読む価値あり。

2020/12/01

Kouro-hou

表題作は金田一モノ中篇。連続殺人モノなわけなんですが、どこから見ても怪しい博士、美人らしいんだけど空気なその娘、誰が死んでも世のためになりそうな娘の三人の求婚者、大根役者な娘のバレエ教師と登場人物はなかなか色物。登場人物が矢で的を打ち抜くようなスナイパー揃いなのはどうなの?と思いましたが、きっと当時弓矢は紳士のたしなみだったのでしょう。多分。収録の「蝙蝠と蛞蝓」はちょっと異色なブラックユーモア的短篇。当事者には愛嬌があると言われつつも、部外者にとっては不気味で得体の知れない金田一耕助像が生きいきしてます。

2015/03/22

みんち

引き続き金田一耕助シリーズから、中編「死神の矢」を読了。短編「蝙蝠と蛞蝓」も併録されているが、これは短編集「人面瘡」で既に読了済みなので割愛。物語は、金田一とも交流の深い考古学者の古舘博士の令嬢・早苗に同時に三人の求婚者が現れた事から始まる。だが、求婚者は三人が三人共に揃いも揃って素行の悪い道楽息子ばかり。そこで酔狂な事が好きな博士は、自分の趣味である弓を用いて婿選びゲームをしようと提案する。水上に的を浮かべて、波間に揺れ動くそれを見事に打ち抜いたものを早苗の婿にする。

2016/11/13

ホームズ

『オデュッセウス』の婿選びを題材にした『死神の矢』は面白かったですね(笑)ちょっと結末は物足りない感じもありましたが(笑) 『蝙蝠と蛞蝓』は珍しく一人称で物語が進んでました。短い短編ですが面白かった(笑)

2009/03/23

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