殺人鬼 (角川文庫 緑 304-42)
殺人鬼 (角川文庫 緑 304-42) / 感想・レビュー
ピッポ
【再読】金田一耕助の短編四作品『殺人鬼』『黒蘭姫』『香水心中』『百日紅の下にて』が収録された短編集。長編に比べて、重厚感に欠けるが、いずれの作品も秀作ぞろい。特に『百日紅の下にて』はその内容もさることながら、廃墟に咲く百日紅の紅い花や落日を映すお濠など描写が美しく情景が目に浮かぶようでした。この後「獄門島』に向かうんですが、いずれの作品でも戦友から様々な想いをたくされている金田一耕助の人柄が一連の作品の魅力であり、陰惨な事件の救いであると感じます。
2016/03/16
ホームズ
『百日紅の下にて』が良かったかな(笑)しかし金田一センセは戦場で色んな問題を託されてたんですね~(笑)『殺人鬼』『黒蘭姫』『香水心中』もそれぞれに味があって良かったですね(笑)
2010/01/24
みんち
久方ぶりに横溝正史の「金田一耕助」シリーズを再開。中編集「殺人鬼」を読了。今回は「終戦もの」とでもいうか、金田一が戦場から復員して間も無く、或いはまだ戦争のゴタゴタが尾を引いている頃に起こった事件を中心に纏めた一冊。順に、推理小説家の男が近所に住む美貌の婦人と知り合い、彼女に付き纏う片脚の怪人の影に翻弄される表題作。たびたび百貨店で万引きをする黒いベールで顔を隠した女性が、それを咎めようとした店員を殺害してしまう「黒蘭姫」。
2016/12/27
shiaruvy
★4 [S52.10.30 6版] 正史翁による探偵活劇の中短編は由利センセーものにかなり分があるが,獄門島に行く道中の『さるすべり..』は論理に継ぐ論理で繰り返し読んでもとっても面白い!
2013/05/13
marty@もぶおん学
所収作「香水心中」(S33.11)を読む。香水で有名な化粧品会社の社長として君臨する老女からの依頼で金田一耕助はオフの等々力警部とともに軽井沢を訪れる。現地の山荘で彼女の後継者と目されていた孫の青年と人妻が心中したような状況で発見され、死体からは強い香水の香りが漂っていた。この振りかけられた香水を端緒とした捻りのきいたトリック、登場人物の意外な人間関係などの要素がバランス良くまとまっている短編ミステリである。
2024/01/13
感想・レビューをもっと見る