呪いの塔 (角川文庫 緑 304-45)
呪いの塔 (角川文庫 緑 304-45) / 感想・レビュー
Kircheis
★★★★☆ 昭和初期に書かれた長編。 迷路のようになった塔、霧深き軽井沢、4本指の怪人、猟奇的な小説、そして入り組んだ男女関係と、ゴシック風味溢れる舞台設定にワクワク。 謎に挑む素人探偵白井三郎もなかなか良いキャラだった。 後の横溝の作風がこの辺りで確立されてきたのが感じられる。 ちなみに一応犯人に結びつく伏線はあったが、ヒントはかなり厳しめで、正攻法で犯人を推理できる人は少ないと思われる。 動機もあまり納得できなかった。黒潮が犯人を殺すなら分かるんだけどね。
2019/10/15
Kouro-hou
横溝の連載ではない書き下ろし長篇第1号。長さとしても1932年当時としては大長篇です。内容は横溝自身が編集者として携わった乱歩の「陰獣」にインスパイアされたというか、乱歩モデルの大江黒潮&白井三郎、横溝モデルの語り手、由比耕作らがメインキャラというある意味内輪な人物が、乱歩が愛したトレント&レドメイン的な好意感情で語り手の視界が歪められた世界を演じるというわりと凝った構造だったりします。それが今回成功してるかと言われるとアレなんですが、後年の同ベクトル傑作「真珠郎」の礎にはなっているのではないでしょうか。
2014/11/19
林 一歩
完成度は決して高くない。だけど愛すべき佳作...といったところか。
2012/09/28
よっちゃん
横溝正史はすごい。前知識もなく纏めて売りに出されていたセットの中に入っていた一冊。有名な作品以上に内容がすごいしかも驚くことに昭和7年の発刊。あの時代にこれだけの作品が書けたとは恐るべし横溝正史。衝撃を受けてしまった。これだから古本漁りは止められない。読まずに死ねるか!!!!!興奮している自分が居る。
2017/05/18
ホームズ
横溝正史というよりも江戸川乱歩のような雰囲気でした(笑)解説にもあったけど「耕作」は金田一耕助、「由比」は由利先生を思い出させますね~(笑)どうせならどっちかのシリーズにしてもらったほうが良かったですね~。話としては面白かったんですけどね(笑)
2009/11/04
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