金田一耕助の冒険 1 (角川文庫 緑 304-64)
金田一耕助の冒険 1 (角川文庫 緑 304-64) / 感想・レビュー
Kircheis
★★☆☆☆ 『◯◯の中の女』のタイトルで統一された短編集。 どれも大して印象に残らないあっさりした話ばかりなので、金田一ファン以外は読む必要ないだろう。特に『瞳の中の女』は横溝先生がネタに困って無理やり書いた感が否めない。また、その他の作品も動機が不自然だったり、犯行方法が雑すぎたりでスッキリしない。 最後の『檻の中の女』は1番良いと思うが、由利&三津木シリーズの『猿と死美人』の転用(しかも元の方が出来が良い)なのが残念。『鏡の中の女』は乱歩の『妖虫』のオマージュ(パクリ)である。
2021/03/19
HANA
金田一耕助を主人公とする短編集。収録作全てが「~の中の女」で統一されている。やはり長編に比べると小粒なイメージも受けるけど、読み始めると再び金田一に会えた喜びでそんな事はどうでもよくなってくる。全ての作品が東京を舞台にしている為土俗要素はほとんど無いけど木の洞にコンクリート詰めされた死体や読唇術、彫像に詰められた死体とギミックの陰惨さは十分。こういうギミックって乱歩と通底するところがあるなあ。何より各事件の真相を耕助と成城の先生の会話で〆ているのが、ミステリらしく一番嬉しかったです。いや、面白かった。
2020/06/30
シブ吉
再読するのは何十年振りだろう。「金田一耕助はおもわず五本の指でバリバリ、ガリガリと、頭のうえのスズメの巣をかきまわしはじめた。これが興奮したときのこの男のくせであることは、諸君もすでにご存じであろう。」ヨレヨレの和服に袴、ボサボサ頭の小柄で貧相な男だが、難事件に直面すると頭をかきながら脳細胞をフル回転させる。金田一耕助が事件に出くわし、更には、この描写が出てくると、途端に嬉しくなってしまう。本書に収められた短編6話。昔読んだ時には気づかなかった金田一耕助と等々力警部の会話の応酬を楽しみつつ二巻へ。
2013/12/08
たか
【再読】『◯の中の女』という題名で統一された短編集。全二冊。 いずれも探偵は金田一耕助。金田一が事件に関係して、調査に乗り出し、解決の糸口を探り当てる。 その後は記述者である作家を前に謎解きを行う。 短編集として良く出来上がっており、バラエティな内容だ。 金田一耕助ものにしては、東京を舞台にした、都会的かつ大人向けの作品が多い印象。個人的には『瞳の中の女』が好み。Cー評価
2022/02/23
kagetrasama-aoi(葵・橘)
「霧の中の女」「洞の中の女」「鏡の中の女」「傘の中の女」「瞳の中の女」「檻の中のおんな」の六編からなる短編集。どれもとても短くてサクサク読めます。この短編集成立の経緯が書かれている後書とこの表紙は必見!個人的には「傘の中の女」が一番好みです。風采が上がらない金田一さん、一本取られました(*^ ^*)。
2019/01/31
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