空蝉処女 (角川文庫 緑 304-70)
空蝉処女 (角川文庫 緑 304-70) / 感想・レビュー
のびすけ
大正末期から昭和初期・戦後にかけての9編の作品集。雑誌に掲載されず未発表のまま三十数年も埋もれていた表題作「空蝉処女」。幻想的な月夜、虚ろな眼差しの記憶を失った女性が印象的な耽美的作品。その他では、首飾りを巡る夫婦のだまし合いを描いた小編「頸飾り綺譚」が意外性があって良かったかな。全体的にミステリー色が薄く、あっさりとした印象。昭和58年発行・初版読了。
2021/09/25
Kouro-hou
戦前戦中戦後の短編集。横溝角川文庫の中では未発表や未収録作を集めた落穂拾い的存在。表題作は空襲で記憶を失った美少女が気になるんだけど、うわ言で赤ちゃんがーとか言ってるから処女じゃないのかな?どうなのかな?という戦後短編。これは好きです。戦中モノ短編は横溝曰く「探偵小説とか注文が無かった」という事で、どちらかというとスパイもの。そして敵は支那や鬼畜米英、我々の戦いはこれからだ!という時事資料的には面白いが、今読むのはちょっとツライ。平和だからこそ殺人事件小説とか楽しめるんですね。
2014/05/12
ホームズ
短編集。全体的にミステリの要素は少ないかな〜(笑)後半は犯罪と言うよりもほとんどイタズラに近いし(笑)由利先生も登場したけど戦前から戦中のアメリカのスパイをやっつけろって雰囲気で本来のシリーズとは違って面白味には欠ける。歴史としてみれば興味深いのかな〜(笑)
2012/01/18
shiro
カドカワのキャンペーンで。短編集。神戸を舞台にしたものが多い。膨らませて長編で読みたいなというのがちらほら。戦時中の様相が色濃い。面白かったのは最終話「いたずらな恋」かな。いかにも都合がいい展開だけれど最終的には…という感じが好き。
2018/12/02
冬至楼均
表題作は戦後まもなく書かれて、死後に見つかったた未発表作品。掲載されなかった事情は不明。 古谷一行が金田一耕助を演じたドラマの原作。と言っても元々は金田一モノではなく、名前を流用しただけでしたが。
2024/04/17
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