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死仮面 (角川文庫 緑 304-71)

死仮面 (角川文庫 緑 304-71)

死仮面 (角川文庫 緑 304-71)

作家
横溝正史
出版社
KADOKAWA
発売日
1984-07-01
ISBN
9784041304716
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死仮面 (角川文庫 緑 304-71) / 感想・レビュー

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nobby

同時期に書かれた『夜歩く』『八つ墓村』に比べると迫力不足は否めないが、デスマスクという怪しげなアイテムで描く不気味さは健在。『八つ墓村』解決の帰りしなに岡山で聞いた妙な告白と、東京での女流教育家の憂鬱が徐々に繋がり起こる惨劇。何より“死仮面”とか“跛(びっこ)”など、今では馴染まないであろう表現が時代を演出している。終盤勢いのある展開は面白いが、トリックや真相は少し強引に感じた。併録された『上海氏の蒐集品』は金田一登場せずの短編。淡々と読ませてのラスト明かされる事実はさすが!さて次は『犬神家の一族』へ♪

2018/01/05

セウテス

〔再読〕本作は「八つ墓村」と同じ昭和24年に雑誌に発表されたのだが、しばらく書籍化されなかった為、幻の作品となっていたようだ。「八つ墓村」の事件を解決した後、岡山県警の磯川警部を訪ねた金田一耕助は、女のデスマスクと持ち主の男が書いた、奇妙な告白書を見せられる。驚く事にその死仮面は、殺人容疑で指名手配の女に瓜二つであった。本作においては、金田一耕助はナビゲーターの様であり、女学生の白井澄子が重要なポジションを締める。金田一の代わりにアクティブに動くスタイルは、決して悪くはない。前向きなラストも、最適だろう。

2019/08/31

ピッポ

作者の死後発刊された表題作と最後の作品『上海氏の蒐集品』の2作が収録されている。『死仮面』は金田一シリーズだが、構成がやや粗く、真相も強引で腑に落ちないところも多く残念。『上海氏の蒐集品』は失われていく武蔵野の面影と哀しいラストが印象的。

2016/10/31

のびすけ

横溝作品では珍しい女学園が舞台の物語で、金田一耕助の推理を手助けする学生の澄子の活躍が見どころ。デス・マスクの謎が事件の鍵を握る。中島河太郎氏の解説を読んで驚いたが、本作は雑誌連載の欠落部を中島氏が補稿したものだという。併録の「上海氏の蒐集品」、事件後亜紀は何を思う。

2021/02/13

Kouro-hou

表題作は「八つ墓村」と同時期の連載中篇。しかし作者が気に入らなかった&ローカル紙連載のダブルパンチで幻の一品でした。その後中島河太郎氏が蒐集、揃わなかった連載分を補筆して出版を横溝の告別式に間に合わせたという逸話を持つ。イイ話ダナー、なんですが作者が気に入らないというのは、やっぱり話にちょっと穴があるという事でして。猟奇的なパーツパーツは興味深いのですが、組み合わせの必然性に疑問が一つ二つ。ただ今回の金田一さんは大変アクティブで、惨事を未然に防ごうと努力が伺えて貴重です。陰惨な設定のわりに最後は爽やか。

2014/05/09

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