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わが良き狼 (角川文庫 緑 305-4)

わが良き狼 (角川文庫 緑 305-4)

わが良き狼 (角川文庫 緑 305-4)

作家
筒井康隆
出版社
KADOKAWA
発売日
1973-11-29
ISBN
9784041305041
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わが良き狼 (角川文庫 緑 305-4) / 感想・レビュー

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absinthe

短編集。何度も再読した本。厨房の頃に読んで大爆笑した記憶がある。笑って笑っておなかが痛くなったのだ。その頃笑ったのは、地獄図日本海因果だった。20歳過ぎて再読すると、好きな作品は表題作になった。今読むと、なぜか表題作のキッドのキャラクタが「かいけつゾロリ」と被ってしまう。

2016/07/15

saga

【再読】表題作を最後に配置する短編9篇。著者の博覧強記ぶりはいつものことながら、北朝鮮の暴走から核ミサイルによる時空間の歪みというSF作品にしてしまう軍事オタクの面を強く感じさせた「地獄図日本海因果」。だけどベトコンと北朝鮮とを行き来する謎の伝令が何者なのかは最後まで分からず不満も残る。誰にも見向きされなくなった未来の五輪マラソン競技を扱った「走る男」と、肉体のみが発達した人類と、彼らを地下に隔離した精神階級の二層社会を描いた「下の世界」が良かった。

2016/11/27

メタボン

☆☆☆☆★ バラエティに富む面白さの短篇集。表題作は意外にも西部劇チックでちょっとせつなくさせる帰郷の話。日本海戦で歴史が混乱する「地獄図日本海因果」、銀座のバーを舞台に男女が蠢く「夜の政治と経済」、自宅が戦場と化す「わが家の戦士」、税金を払いたくてたまらない男のドタバタ「わが愛の税務署」、カッコイイことが信条「若衆胸算用」、TVが亡くなった家族の団欒は怪しい方へ「団欒の危機」、かくも長きオリンピックの走り「走る男」、精神階級と肉体階級に区分された世界「下の世界」。

2021/08/18

MIKETOM

筒井流ドタバタの真髄を楽しめるのが『地獄図日本海因果(だんまつまさいけのくろしほ)』海上自衛隊と北朝鮮軍が日本海で戦闘。途中SF的展開に巻き込まれ日露戦争の日本海海戦のど真ん中に放り出される。そして自衛隊は日本帝国海軍の連合艦隊と、北朝鮮はバルチック艦隊と遭遇して戦闘に至るというハチャメチャなストーリー。表題作『我が良き狼(ウルフ)』は詩情溢れる帰郷物語。まるでかつてのNHKの人形劇を見ているよう。ラストのキッドとウルフの再会のシーンは涙ぐみそうになる。ドタバタ&切ない系。さすが筒井としか言いようがない。

2020/01/02

ぽち

親本は1969年発行の短編集。手元の文庫は1973(昭和48)年刊。昭和50年八刷りの旧版で表紙はアメコミとゴシックをミックスしたような女装ケツアゴガンマンのイラスト。北朝鮮軍の侵攻 「疑似イベント」もの『地獄図日本海因果(だんまつまさいけのくろしほ)』ベトナム戦争が戸建ての家に侵食する『わが屋の戦士』オリンピック/マラソンポストモダン『走る男』

2023/04/17

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