ホンキイ・トンク (角川文庫 緑 305-5)
ホンキイ・トンク (角川文庫 緑 305-5) / 感想・レビュー
saga
【再読】8編の短編は、女性が眉を顰めそうなものも含めてエロ要素が多かった。印象的だったのは「ぐれ健が戻った」の生身の人間と幽霊が一緒にいる奇妙な描写。表題作は流石と唸らせる筆致。プリンセスのイヤラシさを感じさせない言動は、SFジュブナイル作品と通底している。大型コンピュータに政治を任せると国際社会に宣言した小国のしたたかさが良かった。ホンキイ・トンクの意味を本書を再読するまで忘れていた。逆に千葉市内のステーキ屋を真っ先に思い出すとは……
2016/11/19
たか
全体的には、筒井康隆得意のエロ・グロ・ナンセンスが際立った短編集になっている。その中で、調子の狂ったピアノに合わせて歌う歌『ホンキイ・トンク』、その不思議なネーミングが印象的。D評価
2017/12/09
メタボン
☆☆☆★ 狂気あふれるドタバタがすごい「ワイド仇討」「断末魔酔狂地獄」と、政治とコンピュータ社会を風刺した「ホンキイ・トンク」及び小野小町とタイムマシンものの見事な邂逅「雨乞い小町」と、好対照な作品集。落語的な味わいで一風変わったファミリー小説となっている「ぐれ健が戻った」。他、君発ちて後、オナンの末裔、小説「私小説」。
2019/03/27
かば
これほど欲しいままに物語を転がすことができたなら楽しくてしょうがないだろう。
2018/10/27
たま
社会、また特に政治分野におけるコンピューター化を題材にした表題作。コンピューターが本当に確実なのかどうかということを越えて、それを使う側の人間の知恵をも皮肉っているのが面白かったです。文壇的なものや小説を書くことをパロディ化した「雨乞い小町」や「小説『私小説』」、高齢化社会をかなりの度合いでパロディ化したドタバタ劇「断末魔酔狂地獄」も印象的。全体を通して、多様な種類の短編が読めて楽しかったです。
2013/09/19
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