日本列島七曲り (角川文庫 緑 305-9)
日本列島七曲り (角川文庫 緑 305-9) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆☆ 結局最後は乱交パーティーになる「誘拐横丁」「融合家族」キンタマが風呂の栓に入って抜けなくなる「陰悩録」周りは潜望鏡だらけ「奇っ怪陋劣潜望鏡」オナポート「郵性省」ドタバタハイジャック「日本列島七曲り」桃太郎のパロディがループする「桃太郎輪廻」近藤勇と土方歳三はホモだち「わが名はイサミ」ホテルの中の覗き部屋がタイムスリップ空間「公害浦島覗機関」会社には社長と「ふたりの秘書」だけ。テレビ中毒のパロディ「テレビ譫妄症」。パロディ精神にあふれた短編集。
2021/12/10
saga
【再読】エロ要素大盛りの短編を、よく一冊にまとめたものだ。奥付けを見ると25版を重ね、著者の人気が盤石であることが判る。建築から近代史、伝統芸能といった博識を各短編のテーマとして書き上げられており、年齢を重ねた今も、新たな楽しみ方ができる本だった。解説はムツゴロウさんこと畑正憲氏。
2017/01/26
absinthe
短編集。表題作「日本列島…」がシュールで面白い。「テレビ譫妄症」は氏のテレビというものに対する主観がわかる小話。氏は小説を書くときほかのメディアではできないことを念頭に置くという。
mono-less
短編集。十代の頃に読了済み。でも大体忘れてるのでほぼ新作状態。そんな中、はっきり海馬に焼き付いていたのは「郵性省」。「自慰行為やセックスの絶頂時に思い浮かべた場所へテレポート出来る能力(その名も「オナポート」)」という発想に爆笑。当時この「小説は何でもアリ」の筒井精神には感銘を受けた。ただこの作品にしろ、キン○マが風呂の排水溝にハマってしまう「陰悩録」にしろ、下ネタギャグに終わらず社会風刺としても機能している点は特筆すべきでしょう。股間から世間が見える……「社会の窓」とはよく言ったものですネ(大爆笑)。
2015/02/13
hirayama46
オールタイムベスト級の強力な作品には欠けるきらいがありますが、やっぱり楽しい。めちゃくちゃな設定からこんな落とし方を……な「融合家族」、直球下ネタ小説「陰悩録」「郵性省」のあまりのくだらなさも素敵。社会風刺的な「日本列島七曲り」「公害浦島覗機関」「テレビ譫妄症」も安定した書きっぷりで、実験性薄めのエンターテイン濃厚な短編集でした。
2021/03/05
感想・レビューをもっと見る