時をかける少女 (角川文庫 緑 305-10)
時をかける少女 (角川文庫 緑 305-10) / 感想・レビュー
NDS
著者ご本人が「金をかせぐ少女」と言いつつ「毒にも薬にもならない小説が代表と言われても困る」とおっしゃる本作。毒にも薬にもならなくても、いい甘味にな作品だと私は思います。 数十年前の女子中学生はこんな言葉づかいだったんだな、と思いつつ、ボーイミーツガールものとして大変楽しめました。 また、「悪夢の真相」はまさに「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というところでしょうか。種を明かせば何でもない事でも、分からなければ恐怖を感じるものなのだと改めて思いました。
2017/02/02
じょうき
もはやタイトルを知らない者もいないだろう、タイムリープものの古典。今読んでも色褪せない。謎を追うスリル、別れの切なさ。ラベンダーの香りがキーアイテムというのが何とも雰囲気があってよい。悪夢の真相は、少し極端に感じるが、夢や心の不可思議さがわかりやすく描かれている。弟の成長が心を温かくする。果てしなき多元宇宙は、ドタバタSFといった感じ。世にも奇妙な物語のような雰囲気で、オチまで愉快。古いのに古臭くない筒井康隆の魅力を楽しんだ。
2021/12/11
背番号10@せばてん。
1983年読了。監督・大林宣彦、主演・原田知世(当時16歳)の角川映画(1983年)として有名な本書ですが、初出はさらに遡り1967年。自分の中では、本書が筒井康隆氏のベスト。また、同名の映画主題歌は作詞作曲、松任谷由実。これもまた名曲。
1983/12/10
Automne
ラベンダーの香り。誰も知らなくて、けれども思い出す。
2017/05/14
hitomi.s
エゴサをしているらしい筒井先生の再読をまたしてもしてみる。いったい何年前に買ったのかも覚えてない。初版の発行が、生まれる前だ。短編集。言葉遣いがザ昭和感なのにもかかわらず、奇抜な発想と「そう終わらせるのね」の着地点。映像にどうされたのかは未視聴だけれども、主題歌のサビは知っている。表題作、主人公は誰なのか。傍観者のままで、こんな世界が実際であればと思ってみたりした。ここも未来だ。そこも未来だ。
2021/09/26
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