鍵: 自選短編集 (角川ホラー文庫 31-1)
鍵: 自選短編集 (角川ホラー文庫 31-1) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
作家・筒井康隆氏による自選集。16編の短編作品によって編まれている。筒井康隆氏といえば、「SF御三家」と称され、故・小松左京氏、故・星新一と並んだ存在。筒井氏は、作家のみならず、俳優としても活躍している。残念なことに他の2人がすでに故人なので、まだまだ頑張っていただければと存じます。彼の作風は、発刊された作品群を見れば、一目瞭然で何でも有りのオールマイティーぶりが際立っている。自選の本書は、非日常(異常)な環境に追い込まれた人間が何を感じ、どう行動するのか?を問うた極限状態の人間模様を描いた物語が多い。
2021/05/11
ねりわさび
筒井氏の自選によるホラー短編集。かなり古い作品も収録されており中学生のころに読んだ当時の恐怖感がひしひしと蘇ってきて恐ろしい思いをしました。佇むひと、未来都市、ふたりのインド人など筒井ファンにも馴染みのある作品があり、大変におもしろかったですね。
2021/07/16
keroppi
【オール・ハロウズ・イヴ(All Hallow's Eve)Horror読書会'24】ファンタジーの方は筒井康隆「旅のラゴス」で参加したので、ホラーも同じ筒井康隆で参加しようと手に取った。ホラー文庫の短編集。封印したはずの過去が現れてくる恐怖「鍵」「猫池」。圧倒的な暴力により死がやってくる「死にかた」。一度はどこかで読んだことのある作品がほとんどだが、この頭を掻きむしるような感性に酔う。ユーモアも交えた独自の文体を通して、不安感や得も言われぬ恐怖が心の底から湧いてくる。
2024/10/10
hanchyan@だから お早うの朝はくる
この世にホラーは二つしか無い。怖いホラーとそうでもないやつだ!安いセミナーの真似はともかく(笑)、恐怖をあえて大別すれば(そうしないとコワいから(笑))“外からやってくるもの”と“裡から湧いてくるもの”と思ってたが、“外”の真逆乃至“裡”の派生として“失う・損なわれる”恐怖があるんだなあ、とまずは久々に読んでの浅慮。目次をみただけでウヒョヒョヒョうひー♪となる傑作郡は上記“外・裡・失”の絶妙なハイブリッド。想像力を掻き立てられ勝手にコワがっちゃう(笑)ほのめかしの上手さ巧みさ。これぞ短編小説を読む愉悦♪
2016/02/04
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ 筒井康隆師匠の怖い話は様々なカラーを持っている。走り出したら止まらない、一気に駆け抜けて狂気の哄笑を打ち上げたくなるようなもの。静かにひっそりと染みていき、逃れられないものにがんじがらめにされて諦めを持って瞼を閉じるようなもの。最初から最後まで何が起きたかわからないまま置いてけぼりにされるようなもの。どれもこれもが愛しく何度取り出し眺めても満足のため息で書を閉じることになる。今回も、もちろん。(以下覚書)
2020/08/29
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