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死化粧 (角川文庫 緑 307-1)

死化粧 (角川文庫 緑 307-1)

死化粧 (角川文庫 緑 307-1)

作家
渡辺淳一
出版社
KADOKAWA
発売日
1971-05-01
ISBN
9784041307014
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死化粧 (角川文庫 緑 307-1) / 感想・レビュー

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James Hayashi

医者自身が手がける自分の母の脳手術と解剖、そして死出の化粧をめぐる家族の姿を、過酷にリアリティをもって描き、芥川賞候補となった新潮同人雑誌賞受賞作の表題作。「ダブルハート」は和田心臓移植を下敷きにした作品。ドナーの移植を担当する医師の目線での作品であり脳死判定は行われていないため殺人である。これと同時期に書かれた「白い宴」でも和田移植を問題視し、著者は同大学を辞め作家に専念し出したという。とにかくパワフルな中編。死と向き合う医師たちを描いている。50年近く昔の作であるが良いものである。

2018/11/16

かば

人は死ぬ

2018/08/27

MIKETOM

渡辺のデビュー作。四短編。『訪れ』不治の病に犯された患者。本人は一縷の望みにすがるが、医者は100%無いと知っている。生命に執着する患者の行動が凄まじい。『ダブルハート』心臓移植もの。己の名声だけを考える医者。医者は植物状態の男の心臓を何としても切り取りたい。男の妻を強引に承知させてしまう。ラスト、妻の笑いが虚しく悲しい。『霙』重度障害児の施設。脳性麻痺の子供の両親。危険な手術を望む。完治すればそれでよし。失敗すれば、それでお荷物は消える、という心境が垣間見える。やりきれない。全編重苦しいが引きこまれた。

2021/06/26

まめねこ

医者も患者な自分と同じ考えを持っていることや、医者だからこその考えも描かれており、とても興味深かった。「死化粧」は、医師から見た身内の死への考え方に納得し、葬式は生きている人の為だと言う理由が腑に落ちて、「訪れ」では、死が迫って来た際の受け止め方の違いが、最後の行動へ激しく影響することを知り、「ダブル・ハート」は、デリケートな心臓移植問題において、ドナー側の家族の想いが真っすぐ入ってきた。この気持ちは忘れてはいけない。「霙」は、医療の発達により、親が大事な子供の扱いに困る現実には言葉が見つからなかった。

2017/01/09

ぶっくlover

医者目線で書かれているなーと思った。 私的には好きな部類な話です。

2020/03/19

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