価格破壊 (角川文庫)
価格破壊 (角川文庫) / 感想・レビュー
ゴンゾウ@新潮部
ダイエーの創業者の故中内功氏がモデルとされる経済小説。NHKドラマで山内努氏演じる主人公矢口のアクの強い演技が強烈に印象に残っている。販売価格は売り手が決めると言う信念のもと既成の商慣習にとらわれずに価格破壊に突き進む矢口。厳しい競争に立ちはだかる強敵にも屈せずぶれることなく前に進む。友人の頼みにも決して私情を挟まない。ダイエーの栄枯盛衰 を知っているので少し複雑であるがとても大切なことを教えられた。
2016/02/20
Walhalla
これは面白かったです。 ダイエー創業者の中内功さんをモデルにした経済小説です。今から50年近く前に連載されていたようですね。 当時の再販制度と闘いながら、単なる安売りとは全く異なる「価格破壊」を目指し、スーパーマーケットという業態を築き上げていく様子に、熱い想いを感じました。 またひとつ、良い作品に出合えました。
2016/09/29
まつうら
ダイエー創業者中内功をモデルにした作品。薬屋から身を起こし、メーカーの指定価格と戦いながら、スーパーマーケットという業態を作り上げていくサクセスストーリーは、読んでいて爽快だ。 しかし、スーパーマーケット以前の時代は、メーカーが店頭の販売価格を決めていたという事実にどうも違和感を感じてしまう。独占禁止法に引っかからなかったのはなぜだろう? モノがなかった時代だから、モノを作り出すメーカーが威張っていたことは想像がつく。でも昔から、近江商人の「三方よし」って広く知られていたのではないだろうか・・・?
シュラフ
一国の経済を人の一生のごとく幼少期から老成期に例えれば、戦後の復興期は日本経済の青春時代というべきだろう。そのころを生きた人々は太平洋戦争という不幸な時代はあっただろうが、こうした発展途上の時代を生きることができたのは幸せだったと思う。この小説の登場人物らもみんなが躍動感に満ちている。目的に向かってまっすぐなのがうらやましい。だが、やはり戦争の影を引きずっている。"フィリピンの地獄の戦場に比べれば、今の日本に本当の地獄はない"という主人公の言葉を、今日の経済的繁栄を享受する我々はかみしめたい。
2014/04/09
gushwell
若い頃読んだ本の再読。ダイエー創業者・中内功さんをモデルにしたと言われる経済小説です。とにかく主人公矢口のエネルギーが半端ない。これまでのルールを打ち破り、新しいルールを作るにはこれくらいのエネルギーがないとダメなんだなと痛感。城山三郎の小説の中でもエンターテインメント寄りのかなり面白い部類に入ると思う。
2017/10/14
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