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辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 (角川文庫)

辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 (角川文庫)

辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 (角川文庫)

作家
城山三郎
出版社
KADOKAWA
発売日
1979-05-30
ISBN
9784041310137
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辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 (角川文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

素晴らしい。この作品によって、田中正造の名は広く世に知らしめられたという。日本初の公害事件と、当時の時流が重なったときでもあったろう。しかし遅い。遅すぎるといってもいいくらいだ。鉱毒事件で苦しまれた方々は、その頃には、大半がもうこの世にいらっしゃらなかっただろうから。それでもこの小説は、正義のために生き、死することの意味を問いかける。果たしてどう生きるのが正しいのだろう?

2015/12/28

Akihiro Nishio

足尾銅山復習2冊目。足尾銅山鉱毒事件に生涯をかけた田中正造の物語だが、本書では鉱毒問題は終わっている。渡良瀬川の治水対策として谷中村が遊水地として水没させられることが決定。正造の必死の闘争が続くが村民からはありがた迷惑という様子。中盤で正造が志半ばに亡くなってからは村民の覚悟は固まる。と言うより長い訴訟の間に訴訟への興味を失い、ただ生きるために生活を送る村民が見える。明治大正時代に一応まともな裁判をしていたことにも驚く。住民側に有利な判決を出した判事が左遷させられる程度。今の途上国より全然ちゃんとしてる。

2018/08/02

まつうら

足尾銅山鉱毒事件を城山三郎の語り口で読めると思って期待していたら、違う内容だった。田中正造が国会で論戦している熱いシーンではなく、事件被害者に寄り添う晩年の田中正造が描かれている。 でも、田中正造や公害事件を世間に知らしめる上で、この本はすごく重要なんだとあとがきに書いてある。そこで調べてみると、本書初版が1962年発行で、公害裁判(イタイイタイ病)が始まったのが1968年。なるほど。いま現在、田中正造や4大公害事件がこれだけ広く認知されているのは、本書の影響なのだと気がついた。城山三郎はすごい。

こぺたろう

「足尾銅山鉱毒事件」「直訴」のキーワードしか知らない田中正造氏について知りたいと思い、読了。小説の舞台は、衆議院議員を辞められた後。そのため、議員としての活動内容や、そもそもの鉱毒事件の背景はよくわかりませんでしたが、全てを投げうち、情熱を持って鉱毒問題に取り組まれている姿を見て、とても真似できないと思いました。

2018/12/22

金吾

中学の授業で読みましたが、暗い話という記憶しかありませんでした。今回は田中正造の凄まじさがよくわかりました。城山三郎さんは主人公への傾倒がひどくないのでいいです。

2020/04/02

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