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感傷旅行 (角川文庫 緑 314-1)

感傷旅行 (角川文庫 緑 314-1)

感傷旅行 (角川文庫 緑 314-1)

作家
田辺聖子
出版社
KADOKAWA
発売日
1972-01-01
ISBN
9784041314012
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感傷旅行 (角川文庫 緑 314-1) / 感想・レビュー

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hit4papa

このタイトルから、甘くてせつない恋愛ものを想像しましたが、ストーリーは、想像していたものと随分違っています。半世紀も前の作品で、流石に言い回しやシチュエーション(党員って!)は古色蒼然としていますが、男女関係の根っこの部分や恋愛至上主義の妙齢の女性の心の動きは、いささかも変化していないことが分かります。本作品は、深刻な話をクールに笑い飛ばす快活さがありますね。センチメンタル・ジャーニィってそういうことか、とこれまた予想外の結末です。ただ、これははたして純文学なのかなぁ、とは疑問を持ちました。【芥川賞】

2019/06/04

しんすけ

古典文学の翻案を中心に馴染んた田辺聖子がこうした作品も書いていた意外性もあって興味深い。「感傷旅行」の存在は50年以上前から知っていたが、今まで手に取ることはなかった。 そろそろ読んでみようかと手に取ったが、数作はかなり読みにくい。 古典文学翻案作家の作品とは重なるところがあまりにも少ないからかもしれない。 表題作は芥川賞受賞作品だが、吉本新喜劇のような雰囲気を持っている。だが語り手のヒロシの三十女観察が辛辣かつ瞑想的で、主題がどこにあるのかも解らない。 もっとも吉本新喜劇に誰も主題は求めはしないが。

2020/10/20

とまと

取り急ぎ、表題作のみ読了。田辺さんの人間観察、鋭い洞察力は素晴らしい。私有以子そっくりね。ヒロシの視点から描かれる有以子の人間性が私と重なって驚いた。失恋したときは、これを読みましょう。そして自分の精神を引き締めましょう。気位を高く持たなくてはね。

2011/12/05

栄養満点ナス

芥川賞受賞作品である「感傷旅行」をはじめとした短編集。読んだ感じはユーモアがあり、作者の温かみを感じる作品だった。ところどころコミカルな表現があり、「山家鳥虫歌」はそうした面白さが凝縮されていた。狭い一本道で、道を譲る譲らないでもめる登場人物たちの姿が印象的であった。そうしたわけで、この短編が一番気に入っている。表題作もさすが芥川賞という感じ。人の心の微妙な動きや、移り変わりがうまく表現されていた。様々な楽しみのある一冊だった。

2020/10/26

Tomoaki Yoshino

表題作は、1963年第50回芥川賞受賞作品。田辺聖子初読である。表題作のみ読んだ。党員であるケイを愛した有似子の物語で、ヒロシの視点で描かれている。恋多き有似子が探し出す愛だが、主義主張が違いあれどなんとか食いついていく、痛々しい有似子。軽妙な語り口調が印象に残る。

2016/07/19

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