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むかし・あけぼの 上 小説 枕草子 (角川文庫)

むかし・あけぼの 上 小説 枕草子 (角川文庫)

むかし・あけぼの 上 小説 枕草子 (角川文庫)

作家
田辺聖子
出版社
KADOKAWA
発売日
1986-06-11
ISBN
9784041314166
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むかし・あけぼの 上 小説 枕草子 (角川文庫) / 感想・レビュー

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優希

面白かったです。おせいさんの描く『枕草子』は、清少納言の心の中が一気に爆発しているように感じました。有名なエピソードから、小説という形に膨らませ、その想いにはユーモアがたっぷり含まれているように思いました。下巻も読みます。

2018/07/21

aika

これまで日本の文学史に燦然と輝く『枕草子』の著者としてしか捉えていなかった清少納言その人が、田辺さんの魔法にかかると、生き生きとしたひとりの女性として目の前に現れたかのように感じられます。中宮定子との聡明な掛け合いや、貴族の男性たちとの軽妙な冗談など、勝ち気でチャーミングな清少納言を通して、宮中を覗き見している夢を見ているような心地になりました。夫・則光との不思議な関係性は特に、田辺さんの描写が光ります。疫病の蔓延といった世情や、藤原家の相関図も物語の力で整理できて、平安時代の歴史により興味が持てました。

2021/04/07

33 kouch

大好きな作家清少納言。この日本最古のエッセイストは意外にも周りから焚きつけられて生まれたのか、そんな設定が面白い。弁のおもと、中宮定子…かなりキャラが立っているり則光のダメなのか凄いのかよく分からないキャラも面白い。枕草子だけだと完全に清少納言の視点だが、この本はカメラを一歩下げて、清少納言の姿含め全体を映し出すところが秀逸。政争、疫病…そして、なんと言っても女性の立場が蔑ろにされているこの時代のなかで、強く逞しく笑い飛ばして生き抜く後宮の人達が素晴らしい。下巻も楽しみ。

2024/11/04

ちゃいろ子

清少納言の生きた日々が遠い時代の事ではなく感じられワクワクしながら読んだ。 定子、一条天皇をはじめ道隆や伊周、そして道長、きらびやかな歴史上の人物たちさえも同じ命を生きた人間として、何だか身近に感じられ読んでいて幸せだった。 父元輔や則光の愛らしさとか、才気あふれる頭中将斉信、自称弟経房とのやり取りとか、本当に面白いし、定子との身分を越えた友情のような想いも素敵だ。 普通なら見過ごしてしまう小さな出来事を鮮烈に書き残し、それが現代に生きる私たちの心にも響くって素晴らしい事ではないだろうか。 下巻も楽しみだ

2023/06/25

紅香@本購入まであと9冊

宮中、ここには男も女も、粋も無粋も、典雅も俗悪もすべてがあった。女は家にひきこもり、他人に顔を見せたりせず、夫を世話し、子供を育てていれば良い。才気をひけらかさず、色ごとにかりそめにも心動かさず家を守っていれば良いという旧弊な男の考え方くらい私をカッとさせるものはないと宣う清少納言の自立心と観察力に共感しきり。清少納言に言われているのか田辺さんに指南されているのか。お二人がまるで同一人物のように見える。男が世間を掻き回す間、女の国はなんと平穏だろうか。中宮定子の煌びやかさに宮中の雅さに心酔する。下巻へ。

2022/07/24

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