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おちくぼ姫 (角川文庫 た 5-23)

おちくぼ姫 (角川文庫 た 5-23)

おちくぼ姫 (角川文庫 た 5-23)

作家
田辺聖子
出版社
KADOKAWA
発売日
1990-05-25
ISBN
9784041314234
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おちくぼ姫 (角川文庫 た 5-23) / 感想・レビュー

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ykmmr (^_^)

作者自体が不詳の、ジャパニーズ『シンデレラ』。『源氏物語』でもやり手な田辺さんが、こちらでもオリジナル・スパイスも加えながら、田辺流『姫たち』を魅せてくれている。上品な趣味を持つ大人しい箱入り娘たちは、自己の権力維持・又は自分のコンプレックスと向き合えない者たちに翻弄され、自分を主張しないが故に、『幸せ』というものが分からず、マヒしてしまっている。だからこそ、自分を心から愛してくれる貴公子が現れても、幕の中に閉じこもり中々出てこない。本当のシンデレラのような魔女的人物が出て来ても良いけど、

2022/05/13

優希

まさに平安時代のシンデレラストーリーですね。継母にも実父にも虐げられ、召使い同然の扱いを受けている姫君。おちくぼと呼ばれ、粗末な身なりであるにも関わらず、素敵な少将に言い寄られ、愛を育んでいく様子はまさに純愛でした。阿漕が上手く立ち回り、苦しい境遇を乗り越えるのには胸がすく思いがします。引き裂かれそうな秘密の恋が実り、奇跡のハッピーエンドで終わるのがいいですね。砕けた文章で読みやすく、美しい理想の物語でした。面白かったです。

2015/08/26

やっちゃん

とても読みやすく意訳されていて助かる。元祖むずキュンと言うべきかネガティブな姫さまにイライラする。これ阿漕が主人公だよね。あまりに見た目重視すぎないか。おじさんとしては典薬の爺さんがちょっとかわいそうだった。

2023/04/26

buchipanda3

【カドフェス2020】田辺さんの朗らかな筆致で心地良く読めた古典純愛小説。元ネタは千年前のお話、落窪物語。源氏物語や枕草子よりも少し前のものらしい。平安時代のシンデレラと言われるそうで、読んでみてこれは確かに継子いじめ。継母が結構えぐい。貴族社会の結婚の風習も分かりやすく盛り込まれ、今との違いに何度もへえーっと。男が足繁く通うのが大事なのはどの時代も一緒。構成は単純だが、田辺さんによってキャラが活き活きと描かれ、特に姫を手助けする阿漕の存在が光っていた。そして話の顛末は思っていたよりも今風。

2020/07/20

chimako

田辺聖子さんのアレンジの効いた古典。灰かぶりと言われ家事を一手にこなすシンデレラと床の落ちた部屋で縫い物を言いつけられるおちくぼ。和製シンデレラ物語と言われる所以だろうが、継母側もおちくぼの恋人もあからさますぎてどたばた劇を観いるような心持ち。阿漕の機転と少将の一途が光る。それにしても、中将(おちくぼの父)の不甲斐なさや北の方(おちくぼの継母)の意地悪は人を思う想像力に欠けるし、少将の仕返しも「そのくらいにしとけば?」と肩を叩きたくなる。人の幸せは人を思う事に始まる。姫が楽しい日々を過ごせて良かったよ。

2023/09/11

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