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誰か故郷を想はざる 自叙伝らしくなく (角川文庫 緑 315-4)

誰か故郷を想はざる 自叙伝らしくなく (角川文庫 緑 315-4)

誰か故郷を想はざる 自叙伝らしくなく (角川文庫 緑 315-4)

作家
寺山修司
出版社
KADOKAWA
発売日
1973-05-25
ISBN
9784041315040
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誰か故郷を想はざる 自叙伝らしくなく (角川文庫 緑 315-4) / 感想・レビュー

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kinkin

昭和53年7版目の文庫本。現在は本の裏面にあるISBNコードやJANコードはないのが懐かしい。寺山修司、その生い立ちからは彼の生涯に渡る偽物のような人生を感じられる。映画「田園に死す」や「書を捨てよ街へ出よう」を見たことがある。なにかよくわからないことだらけでよくわからないということがよくわかった。彼のエッセイや戯曲はそんなよくわからない感を喜びそして落胆させてくれる言葉の魔術師。虚構の錬金術師。50年近く前に発表された本に安らかな翻弄を感じのようなものを感じた。表紙絵は林静一、好きだなあ。

2022/07/02

双海(ふたみ)

寺山さんの生い立ち。ふーん。

2014/05/03

キー

1968年の寺山修司作品を、1973年に文庫化したもの。文庫版は、「誰か故郷を想はざる」に「東京エレジー」を追加した二部構成になっています。 記憶の中でかなり美化されたであろう幼少時代から少年時代を描いた「誰か故郷を想はざる」は、言葉選びのセンスに非凡な才能を感じさせられます。寺山修司監督映画『田園に死す』の原作、と言ってもいいかもしれません。 競馬、パチンコ、学生運動などについて書かれたエッセイ集の「東京エレジー」は、完全に添え物。「誰か故郷を想はざる」と同じ熱意で読むことはできませんでした。

2023/04/13

tekesuta

第一章の幼少期時代が面白い。自分の家の番地を地獄と読んで戦慄したり、三大地獄の話とか俳句の秘密結社性に惹かれたとか。東京エレジーのほうはあまりピンとこなかった。競馬にあまり興味ないせいかな。それでもロマン・ロランの集まりの話は面白かった。

2014/09/27

nostalghia04021

「人生には、答えは無限にある。しかし質問はたった一度しか出来ない」己の人生の正解とは。賭け事を通して寺山修司はその不条理への解答を探る心理を暴く。「人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ」寒風の中を飛ぶかもめに仮託しなければならないほどの、惑いの中にある問いかけ。そしてそれをなんてことはないと嘯き、自己韜晦する。風に向かってコートの襟を立ててみせる。引用を多用し、己の本心を隠しきる。それが寺山修司の生き様なのだと思う。私はそこが好きだ。

2020/10/07

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